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第37話
……誰か越して来た……?
ここの研究対象者に与えられてる居住エリアは、俺たちしか居なかったから、今まで物音ひとつ聞こえてこなかったんだ。
俺は側で眠るティアを起こさないようにそっと、ベッドから抜け出して、物音がする隣の部屋……
蒼い色のドアの部屋の前で深呼吸する。
閑散とした早朝の少し肌寒い廊下で、新たな出会いが胸を踊らせる。
コンコン────
……
ドアをノックするも返事がない。
ドアノブを回してみるとすんなり開いたから、ちょっと失礼かな……って思いつつも……
……お邪魔します。
と小さく呟いて部屋に入っていく。
「…………っ……」
やはり誰か居るようで声が聞こえた。
ガタガタ物音もしている。
寝室かな?
「……おはよ……う……ござ……」
寝室のドアを開けて、出来るだけ、小さめだけど明るい声で挨拶をしようと、したんだけど、目の前に広がる光景に、その後の言葉が続かなかった。
「は……っ……んっ……誰……?」
寝室の壁に立ったまま手を付かされて、切なげに声を絞り出すふわふわの桃色の髪の男……の子……?
「……っ 知らねえよ。どっかのガキだろっ?ほっときゃいいって。」
そう言いながらふわふわ髪の子の後ろに覆いかぶさって、腰を激しく打ち付けてる。
「も……バカ!ちょっと……一回……抜けよ……っ」
「……は?……この状態で無理に決まってんだろ?もうちょい我慢しろって…っ」
徐々に早くなる腰に、グチュグチュと繋がってる箇所からの粘着質の水音、出入りしているものが黒くておっきくて、目が釘付けになる……。
ふわふわの子が、目に涙を滲ませて高い声で喘ぐ。
腰の動きに合わせてガタガタと備え付けのカウンターの家具が音を立てる。
俺はあまりの衝撃的な光景に、固まってしまって動けなかった。
……えっと……
………………なに……?何してる……の……
いや……頭では分かってる。
ただ目の当たりにするのは初めてだったけど……
コレはあれだよね。
あの…………
そこまでぐるぐる考えて、頭がぼーっとしてる事に気付いた頃には視界がぐにゃりと揺らいでいた。
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