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第38話
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覚醒してあたりをキョロキョロ見回すと自分の部屋のベッドに寝かされていた。
おでこには冷やされたタオル。
……ん……?
鼻に違和感……
うわ……詰め物……
俺……鼻血出して倒れちゃった、のか…
は、恥ずかしい…。
側でティアが心配そうに 大丈夫?って声をかけてくれるも、ちょっと恥ずかしくてまともに顔が見れない。
「……ごめんな。俺らのせいで。」
「頭打ってないか?」
あ……
さっきの隣の部屋の……!大きい方の人だ……。
「う……うんっ 平気!」
さっきの隣の生々しい光景を思い出して、顔が心臓になるくらい赤くなってるのがわかる。
「俺は蒼の部屋に今朝 越してきた レキって言うんだ。」
「こっちは、俺のパートナーのRナチュラルの青海。」
髪の短い、肌は褐色でいかにも体力に自信ありそうなレキがニカッと人懐っこい笑顔を向けてくる。
「ちょっとレキ、勝手に紹介しないでくれる?」
「僕は、青い海って書いてオウミって読む。あんたと同じRナチュラル。宜しく。」
桃色のふわふわの髪を揺らして、無愛想に言葉を発する小柄な色白の少年が雰囲気に似つかわしくない男らしい口調で挨拶してくれた。
「俺は、虹……アークス出身のRナチュラルだよ。初め……まして……」
青海はぶっきらぼうに
「大体のことはあんたのパートナーに聞いたから、何とも無いなら僕達は部屋に戻るよ。」
そう言ってレキと二人で退室してしまった。
俺と蒼の部屋の二人とは、初対面は生々しい現場で……初対話は……俺が鼻に詰め物して無様にベッドに横たわる状態で行われた……忘れられない出会いになっちゃったんだよね……。
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