39 / 64
第39話
窓の外の木々から小鳥の鳴き声が聞こえる。朝日も毎朝ベッドを照らす位置に近付いて、やっといつもの起きる時間になった事を告げていた。
朝早すぎてまだこんな時間なんだな……。そろそろ起きなきゃ!傍にいてくれたティアがゆっくりと俺の背を支えてベッドに座らせてくれた。
「具合……良くなかったら朝の検診は休ませてもらおうか?」
「うううん。もう全然平気だよ!」
ありったけの笑顔で答えるも……鼻の詰め物がかっこ悪い……。
「あの、ティア……これもう外していい……?」
恐る恐る聞く。
「ああ、もう血も止まってるから平気そうだね。」
優しく介抱されて、なんだかいつも迷惑かけばかりの自分が申し訳なくなった…。
「ごめんね。僕が酔って眠ってなかったら、虹にこんな思いさせずにすんだのに。」
「うううん。そんな、俺が勝手にしちゃったことだし、酔っ払ったティア見れたし……。」
「僕……虹に何か変な事言ったりしたりしてない……?」
目を見開いて……俺の両腕を掴むティア。珍しく焦ってる感じが伝わって楽しくなる。
「うん……早く食べちゃいたいって……って言ってたけど、すぐ寝ちゃったから。」
「……。」
片手で赤らめた顔を覆って言葉に詰まるティア。ほんとに珍しい、、、。
何となく、疑問に思ってること今なら聞けそう。
「……あの、さ……。俺達も……ああいう事、するんだよね…。」
今朝見ちゃった青海とレキの行為が頭から離れない。
生々しい性の衝動。実際目にしたのは産まれて初めて……。
俺も恥ずかしくなって俯く……。
……。
「…うん。そうだね…………怖い?」
少し、間を置いてティアが答える。
……。
…………。
俺は、どう答えるべきか、少し考えるけどいい言葉が浮かばない。確かに、衝撃的ではあったけど、二人とも何だかとても気持ちよさそう……に見えた……気がする……。
「怖くは、ない……と思う……。」
ティアの前で今俺が言える精一杯の譲歩した言葉だっ……た。
ともだちにシェアしよう!