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第52話※

自らの欲を解放させるために登りつめるティアの動きにもどこか優しさが滲む。 奥の方を突かれると全身に堪らない痺れが走る。こんな事初めてなのに……すでに何も考えられなくなるくらい気持ちいい。 俺は、はしたない嬌声をあげてティアにしがみつくしか出来なくて……。 何が何だか分からないうちにお腹の上に白いものが散る。……俺イッちゃった……? 身体が……自分のものじゃない感じ……。 朦朧とする意識の中で、ティアが俺の名前を優しく呼ぶ。 「……っくっ……。」 ティアが短く息を詰め、ビクリと震えてから俺の中に暖かいものが……流れ込んでくるのが分かる……。 あ…… 意識が現実に引き戻されて、やっとティアが射精してる事に気付く。 「あ……ティア……。いっぱい……」 やっと目を開けた俺の汗に濡れた額にキスして、まだ息の荒いティアが微笑む。 「……う……ん。発情期だか…ら、多い…ね。」 ドク…………トクン……。 長い射精が終わる頃には、俺は身体の火照りと恍惚とする意識に充足感に満ち溢れて、ティアの体液を注がれる事の悦びを初めて感じることになった。 すごく心地いい。 これがRナチュラルとしての種が求める自然の摂理……?頭がぼーっとする。 「……虹……よかった…すごく良さそう。」 また意識が遠のきそうになった時にティアに声をかけられてハッとする。 きっと蕩けた顔をしていたんだろう……。 素っ裸で脚も大きく開いて、めちゃくちゃ恥ずかしい格好だった事に今更ながら赤面する……。 「可愛い……虹、愛してる……。」 そう言って、解放されるだろうと気怠い身体をティアに預ける。 でも……パートナーの肌越しに伝わる熱量が冷めやらぬ事に、俺は発情期の本当の恐ろしさを思い知る事になったんだ、よね……。

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