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act.1誘惑クローバー<33>
「そう、よくわかった」
葵に愛されたいのにどうしても優しく出来ない。うまく立ち振る舞えない自分への苛立ちと、心底慕われている様子の奈央への嫉妬が募ってタガが外れてしまう。
「櫻せんぱっ、やだ、なんで?」
いきなりブレザーとブラウスのボタンを外してくる櫻に当然のことながら葵は抵抗を見せた。けれどもとも非力な上、上から乗られるという不利な体勢上、葵が櫻を止めることは出来ない。
しっかり締められていたはずのボタンは全て外され、ネクタイまで緩められて、葵は櫻の目の前に無防備な上半身をさらす羽目になった。
体を守ってくれるものがなくなって不安になった葵は自分の手で守ろうと努力するが、櫻はそれぞれ手を掴んで止める。
「あのね、何度言わせる気?いい子にしてなさいって言ってるよね?ほら、腰あげて」
怯えた様子の葵は、それでも櫻の命令には従おうとしてみせた。腰を少し上げたのを見計らい、櫻は掴んだ両手を腰とテーブルの間に押し込んだ。そうすると、葵自身の体の重みでむやみに両手を動かせなくなる。
「縛ってもいいんだけど、あんまり泣かれると面倒だしね」
その言葉で、葵も自分の体が枷代わりにされたのだと分かったのだろう。溜まっていた涙が一気に溢れ出してくる。
「うっ、やだ……こわい」
「本当にまだ誰も抱いてないのかな、この体。もったいない」
葵の泣き声など気にも留めずに櫻は邪魔がなくなってすっかり曝け出された葵の上半身をまじまじと見つめる。
透き通るほど白い体。触れてみればひどくなめらかな肌。痩せすぎ、の部類に入るだろう体ではあるが、不思議と触れた手から伝わるのは柔らかく心地よい感触。
こんな体を持ち、おまけに愛らしい顔つきをしているとあればこの学園で無事でいられるはずがない。
けれど、とんでもなく無防備で騙されやすい葵をしっかりと幼馴染である京介とそれから前年加わった都古とが守っているため未だに葵は何の知識も与えられずに綺麗な体のままらしい。
「でもそれも今日まで、ね。葵ちゃん、大人にしてあげる」
傷一つない艶かしい体を見ると、つい自分の爪で引っ掻いて汚してみたくなってしまう。何も知らないお子様である葵を、とことんまでに堕として快楽に溺れさせてみたい。そんなことを思う自分は異常なのだろうかと、櫻は改めて自分自身に問うが、答えなどとうに決まっている。
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