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act.2追憶プレリュード<14>
「……なんか、やっといてなんだけどさ、マジで色々心配になってくるね」
「聖、余計なこと言うなよ」
男二人に挟まれ、ベッドの上で目隠しをされている葵の姿は、彼に恋をしているという感情を置いておいても、扇情的に見えてしまう。素直過ぎる先輩に若干の呆れを感じる聖の発言を咎めたが、爽だって本心は同じである。
「先輩、第一問ね」
「うん、がんばる」
どうやって出題されるかも分からないというのに、聖が声をかければ、拳をきゅっと握って気合を見せる姿すら可愛らしい。
最初は聖が葵を正面から抱きしめた。ベッドの上だから、マットレスのスプリングのせいで少々不安定になってしまったのか、バランスを取るように葵からも聖に手が伸ばされた。
「え、これだけ?これで当てるの?」
抱き合ったまましばし待機していたがそれ以上の動きがない。葵が問うてみても、さっきまであんなに饒舌だった双子が無言を貫いている。
声で判断させないためだと察した葵は、しばらく自分を抱きしめる相手がどちらなのか考えてみたがどうしてもわからなかった。
「うぅ…無理だよ。これじゃ、わかんない」
視界が真っ暗で、更に二人が何も喋ってくれなくなったことにさすがに不安を感じ始めた葵は、とうとうギブアップを口にした。
「そっか、まぁそりゃそうっすよね」
「じゃあまずは一回ずつするから覚えてくださいね」
“何を?”と葵が尋ねる前に、チュッと軽いリップ音とともに唇に温かい感触が与えられる。
「こっちが聖だから、ちゃんと覚えてくださいね」
葵の耳の傍で囁かれた爽の声に、ようやく自分を抱きしめるのが聖なのだと認識できた。
「……んッ」
聖が更に葵の桃色の唇を啄むと、鼻にかかった吐息が漏れる。それに気を良くした聖は、早く自分に順番を回せと言わんばかりの視線を送ってくる爽を無視して、薄く開いた隙間から舌を潜り込ませた。
どうやらキス自体に抵抗はなさそうだが、それが深いものになると恥ずかしいのか、葵の腰が引けてしまう。
だが瞬時に爽が葵の後ろに回って身体を支えてくれるから、聖はより深くに侵入することが出来た。こんな連携プレーは双子だからこそなせる技だ。
後ろに逃げ場がなくなった葵は、軽くいやいやと首を振ってみせるが、聖の両手に頬を包み込まれてそれすら叶わない。
聖の舌が探るように葵の腔内を丁寧になぞっていく。視界が塞がれている分、聖の舌の動きのひとつひとつに身体がビクついてしまう。
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