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act.2追憶プレリュード<37>*

「京介とはお風呂、入ってるんやろ?京介は良くて、俺はダメなん?」 「京ちゃんは…ちっちゃい頃から知ってるし…」 「ほんじゃ、藤沢ちゃんの猫は?アレともどうせ一緒にお風呂入るんちゃうの?」 「それは…みゃーちゃんは猫、だから…」 「ほな、お兄さんも先輩やからええよな?」 そもそも一緒にお風呂に入ることと、一方的に身体を洗われることは全く別物なのだが、葵はただ生真面目に言い訳を繰り返すばかり。かなり劣勢である。 「すぐ終わらせて部屋帰ろ、な?」 もう一度葵の身体を引き寄せて持ちかければ、とうとう観念したように小さな頷きが返ってきた。 普段は真白い肌を赤く染めてぎゅっと目を瞑る姿は、幸樹にとっては既に扇情的だ。生温いお湯でソープを泡立てる作業を行いながら、幸樹はゴクリと唾を飲み込む。 バスルームに入る際、せめてグレーのカーディガンだけでも脱がせようとしたのだが、葵が”寒い”なんて言い張って脱ぐのを嫌がった。だから上半身は手付かずのまま。 あまりお目にかかれない体を覗いてみたいと思っていたが、こんな状況になるのなら脱がせなくて良かったかもしれない。でないと、簡単に理性が飛んでしまいそうだ。 脱がされているはずの下半身も幸樹のシャツを被せていることで直視が出来ない。 「……んッ」 「冷たかった?平気?」 泡を纏った手をそっとシャツの裾に忍ばせてみれば、吐息とともにピクリと小さな体が跳ねる。どうやら葵の太ももをまさぐってしまったらしい。 心配して声を掛ければ、葵からはまともな返事は戻ってこない。どうやら恥ずかしさを堪えるために目も口もぎゅっと固く結んでいるらしい。 「このまんま洗うで」 無意味だと思いつつもそう宣言してから、幸樹は葵の肌の上にゆっくりと泡を広げていく。 泡を通してもその肌のなめらかさは十分に幸樹の手に伝わってくる。無骨な手で触れるのが恐ろしくなるほど華奢なくせに、吸い付くような弾力があるのが不思議だ。 「…くすぐ、たい」 「ええ子やから我慢しぃ」 太ももから徐々に手を双丘へと上げていけば、ようやく葵の声から言葉がこぼれ落ちた。なだめるようにまた髪の毛からちらちらと覗く耳を喋んでやる。 「めいっぱいトロトロにされたな」 双丘にグッと指を食い込ませれば、泡の感触を殺す程ぬちゃりとした粘液が指に絡みついて葵の素肌を味わうのを邪魔される。 「うぅ…ん、んッ」 「なぁ藤沢ちゃん。橘には”クスリ”掛けられただけ?触られちゃった?」 粘液を拭うように柔らかな肉を揉み込めば、そのたびに素直な吐息が幸樹の肩口に漏れてくる。何ともたまらなく可愛いが、それをあの変態教師も味わったのだと思うと腹立たしい。

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