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act.2追憶プレリュード<39>*
「京介にどこまで開発されてるん?」
「んッ…京ちゃ、に?」
「そ、まだエッチはしてへんやろ?準備くらいはされてるん?」
葵を取り囲む人物が多いが、幼い頃から触りたい放題出来るのは京介だ。葵と体を繋げられていないことは知っているが、スローペースだが着実に開発に勤しんでいることぐらい簡単に予測がつく。
でも煽るようにした質問も、葵相手では意味が通じない。相変わらず幸樹の指に翻弄されて目元を溶かせながらも、言葉を理解しようと考え込む素振りをしている。
「京介にこのちっちゃいトコに指、何本入れられてるん?」
「あッ…も、そこ、ヤぁ」
「だーめ。ちゃんと教えて?教えてくれたら他のトコ洗おーな」
京介の開発の進行具合が気になる幸樹は葵でも分かるよう、今度は随分ストレートな問いかけ方に変えてみる。キュッと固く閉ざした蕾の粘膜に優しく爪を引っ掛ける、なんておまけ付きで。
だが幸樹の願いに反し、ぽろぽろと蜂蜜色の瞳から涙を零しながら葵がもたらした答えは”分からない”だった。
「ちゅーことは、指は入れられてはいるわけね。そらそうか」
葵からの返事が否定ではないことで必然的に行為自体は行われていることが暴けてしまう。でも葵は失言をしたことにすら気付いていない。
「指だけでも入れたら気持ち良さそやな。お兄さんもココくちゅくちゅしたい。京介よりも優しくするから。どう?」
爪を引っ掛けるたびに熱くひくつくそこに自分も一部を埋めてみたいと思ってしまう。中の感触を味わえば、実際に身体を繋げた時のイメージも容易に想像出来るからだ。
でももう幸樹が腰を支えてやらなかったら膝立ちの体勢を保つのすら厳しい葵は、すすり泣き混じりにイヤイヤをしてくる。
「ンっ、他の、とこ」
「ああ、せやな。他のとこ洗うって約束したよな。すまんすまん」
つい先程したばかりの約束を指摘されればそれ以上苛めるのは困難だ。元より、生徒会の誰かさん達と違って葵を苛めるのは趣味ではない。
「ほな次はどこ、洗う?」
執拗に撫で回したおかげで、手に付けたソープはもう全く残っていない。注ぎ足してはみたものの、とっくにローションなんて泡とともに流れ落ちている。
上半身は衣服を身に着けたままだし、他に洗えるところといえば、シャツの裾に隠れている葵自身。
見ないように、触れないようにしていたが、そこは十中八九他の部分と同じく色素が薄くて可愛いはず。それに少し肌に触れただけであれだけの声を上げていたのだから、きっと緩くでも芯を持ち始めているだろう。
ゆっくり扱いてやったら今度はどんな声を出すのか。想像だけでも堪らない。
「おわ、り…もぉ、終わり」
でもとうとう息も絶え絶えに終了のお願いをされてしまう。それを告げる声さえ掠れていて、いつもの愛らしさよりも色っぽさが勝っており、幸樹の体をグッと熱くさせるが、嫌われるのは本望ではない。
「ん、分かった。ごちそーさん」
火照ってきた自分の体に言い聞かせるように幸樹もこの甘い悪戯の終わりを宣言してみるが、涙を吸い取るように目元に口付けたり、真っ赤な耳をかじったりするのはなかなか止められない。
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