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act.2追憶プレリュード<66>

「え、あの…なん、ですか?」 ようやくセクハラの手が止まって安堵していた葵は、今度はまるで獲物を見つけた肉食獣のようなぎらついた目を向ける先輩二人に本能的に危険を察知したのだろう。更に体を縮こませてみせた。 「葵ちゃん、二択ね」 「二択?」 「そ、昨日西名とベッドで何してたか詳しく教えるか、それとも一緒にお風呂に入るか」 櫻が投げかけた選択肢はどちらも葵を困らせるものに違いない。でも問いかけているうちに忍には背中に回られ、抱きかかえられてしまうから逃げ場もない。 「勝手に役員以外の人間を部屋に入れたんだ。それなりの罰は覚悟してのことなんだろう?」 “罰”という忍の言葉に葵は恐怖を感じたのか体を跳ねさせたが、耳元で囁く忍の声音は会長として学園全体を指揮する時の厳しさはなく、ただ甘く、妖しい色が込められている。 「さぁ、選んでご覧?葵」 忍の唇が促すように葵の耳を齧って見せる。ウエストに回った手もいやらしく、探るようにパジャマの裾を割って忍びこんでいく。 「これは何だ?」 忍の指先が、さっき櫻が告げた白濁の跡を見つけたようだ。乾いて固まったそれを爪で剥ぎ取るようにして見せれば、葵はそれだけで忍の腕の中で体を震わせる。 櫻は忍だけが葵に触れているこの状況に耐えきれなくなり、自分も葵の前にしゃがみこんで手を伸ばした。 「ひぁッ…な、櫻せんぱいっ」 「ここ、西名に何されたのかな?」 櫻がズボン越しに触れたのは葵の足の付根にあるもの。布越しに撫でると、まだ芯が通っていない小ぶりなそれはふにふにと柔らかい感触を伝えてくる。 それ以上触れられないよう葵は必死に足を閉じてくるが、それは潜り込んだ櫻の手を抜きにくくしてしまっていた。 「……おふ、ろ」 「ん?なーに、葵ちゃん?お風呂入る?」 ダイレクトなセクハラのせいでこれ以上無いくらい顔を真っ赤にした葵が、必死に紡いだ言葉。それは先程提示された二択への回答に違いなかった。 櫻が確かめてみれば、やはりコクコクと頷きが返ってくる。 「一緒に風呂に入れば、西名以上のことを二人がかりでされるだけなのに。本当にお前は可愛いな」 「ね、苛め甲斐があるっていうか。アホの子ほど可愛いってこの事かな?」 葵がもたらした答えに忍も櫻も満足気だ。忍は背後から、櫻は正面から、それぞれ葵にキスを落としながら最上級に可愛がってみせる。 二人が与えるスキンシップは強引だが、いくらお子様な葵だってそこに愛情があるかどうかぐらいは本能で察知している様子。恥ずかしがってはみせるが、本当の意味での拒絶はしてこない。 だから二人も様子を見ながら、少しずつ葵の体に触れる度合いを増やし、より深く貪ろうと試みるのだ。 でも、二人がボタンの開いたままのパジャマを脱がそうと手をかけた時に葵の様子は一変する。

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