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act.2追憶プレリュード<90>*

「これも、つらい、でしょ?」 「ん…みゃ、ちゃん…触らな、で」 「だめ、可愛い、から」 指先で緩く作った輪っかで擦るように優しく優しく扱き始めれば、より一層硬度が増していく。 快感に弱いくせにロクな知識のない葵は自慰の習慣すら当然無い。それに気付いた都古はこうして隙を見つけては葵の体の熱を放出させる手助けをしていた。 「あッ…うぅ…や、だ」 「ヤ、じゃない、でしょ?アオ。甘えて」 そういえばここ数日、葵と夜を共に過ごせていない。きっと葵の体は自覚なく都古を求めてくれているはず。 嬉しくなった都古は更に葵を口説くための台詞を与えてみせた。 「俺も、甘えたい。アオに」 葵は飼い猫と名乗る都古の我儘なら大抵何でも許してくれる。だからいつもそれを最大限に活かして葵を愛でまくっているのだ。 「ここ、舐めたい」 「あぁッ、ン、なんで、いつもみゃーちゃん…そんなこと」 優しく捕らえたそこに少しだけ力を込めながらより直接的に願望を示してみせれば、葵は更に顔を真っ赤にしてイヤイヤをしてくる。 「好き、だから。舐めたい。イイ?」 いいかどうか、なんてただ聞いてみただけ。ダメといっても照れ屋なご主人様を封じ込められる自信が猫にはある。 だから、また体を縮ませようとする葵の体を強制的にお湯から引き上げた。 「のぼせる、から…ね?」 「あ、待って!服着てないから」 「いっぱい、見てる」 本当は舐め回したいから、なのだが、のぼせるなんて適当にもっともらしい理由を付けてなだめるあたり、ずる賢い。それに、葵の裸なんてもうしっかり目に焼き付けている。今更恥ずかしがるところも可愛いが、もっと距離を近づけたい都古としてはもどかしさもあった。 「うぅ…みゃーちゃんのばか」 せっかく温めた葵の体が冷えないよう、自分の浴衣をタイルに敷いてその上に葵を寝かせれば、そんな恨み言を漏らされてしまう。でもそんな言葉の響きさえ、ご主人様命の猫からすればたまらない。 「アオ、アオ、好き」 これから行われることを予測して丸まってしまう葵をほぐすために、また都古はキスの雨を降らせていく。 葵には頭のてっぺんから足の爪先までキスを与えるのは猫の愛情表現。そうやって伝えているから、その途中にある、都古を魅了してやまない体の部位にも堂々とセクハラが出来るのだ。

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