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act.3君と星の世界へ<21>*

葵が口元を覆い続けていることを確認した京介は、今度は胸元へと唇を落としながら、器用にパジャマのズボンを下着ごと下ろしていく。 何度行為を重ねても、裸に近い格好をさせられるのは恥ずかしいらしい。脱がせにくいように足がきつく閉じられるが、先程指先で軽く突くだけだった胸の尖りを口に含んで転がせば、立てられた膝からカクンと力が抜けてしまう。 そうして半分ほど下ろせば、普段人目に付かないはずの箇所が全て京介の視線のもとに晒されることになる。 執拗なキスと、胸へのほんの少しの刺激だけで、脚の付け根で息づく性器は勃ちあがり、先端には蜜がにじみはじめていた。 「お前ほんと感じやすいのな」 そうさせたのは自分であることを棚に上げながら、京介は葵の脚を割り開いて自分の体を滑り込ませた。 葵はおまじないがバレないよう、まだ真っ赤な顔をして口を覆っている。恥ずかしさよりも、おまじないが成功することを祈る姿は健気で、そしてほんの少し京介に罪悪感を抱かせる。 けれど、ここまで来て止めることは、信じ込む葵のためにも出来ない。 「ん……、あっ、あっ……」 蜜を零す葵の自身に指を絡ませれば、隠しきれない甘い悲鳴がこぼれてくる。ただ一度根元から先端へと指を走らせただけで、白い腹に透明の雫がぽたぽたと弾け飛んだ。 それを見ると、つい”もったいない”と思ってしまう。けれど、欲望に任せてむしゃぶり付く前に、本人の希望を聞いてみる。 「葵、手と口、どっちがいい?」 我ながら意地の悪い質問だと思う。おまじないという建前が無ければ、キスだけで照れまくるウブな葵が体を委ねるわけがない。けれど、おまじないはキスの延長だと信じこませたおかげで、葵が何を選択するのか、分かりきっていた。 けれど、言葉にしてねだるのはさすがに恥ずかしいらしい。元々赤かった顔を更に染め上げて、葵は”言えない”と言いたげに目を伏せてしまう。 そんな仕草さえ扇情的に映るのを全く分かっていない。また京介の背筋が欲情に震える。 「葵?どっち?」 きっと今の自分は飢えた獣のような目をしている。葵がこれから与えられる感覚を恐れるかのようにイヤイヤを繰り返すのは、そんな眼差しで葵を射抜いてしまっているせいだろう。 「しなくていい?」 「……やっ」 「我儘だな。じゃあ両方?」 更に意地悪な選択肢を与えれば、葵はおそらく一瞬想像してしまったのだろう。またピクリと腰を震わせる感覚が伝わってくる。

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