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act.4哀婉ドール<131>
「お前さ、マジでいい加減にしろよ」
「……んわッ」
全てを聞き終えた京介に手を引かれた先はベッドの上。弾むマットレスのおかげで痛みは感じないが、それでも京介がとてつもなく苛立っているのが分かって恐ろしい。
「一ノ瀬に近づくな。ガラの悪い連中にも一人で話しかけんな、無視しろ。これ、何度言えば分かんの」
「だって……」
「だってじゃねぇ。双子が居なきゃどうなってた?」
「ケガ、してた……?」
覆いかぶさってくる京介を見上げながら答えを返せば、怒りよりも呆れが強い溜息が返ってくる。そして京介の手が葵のデニムのボタンへと掛かった。
「下は着替えないよ?」
「なんでそう危機感ねぇかな。どうなってたか教えてやるんだよ。ったく」
「え、待って」
京介が本気で脱がそうとしてくるのが分かり慌ててその手を掴むが、力の差は歴然だ。それに、葵を着替えさせるのに慣れている京介は手際もいい。
タイトなデザインだというのに、あっという間に滑らされたデニムは足首から簡単に抜かれてしまった。
「つーかさ、もしかしてこっちまで触られた?会長達ならやりかねねぇよな」
「んッ…きょ、ちゃん、やだ」
下着越しに京介が触ってくるのは双丘の狭間。二人だけの”おまじない”でもあまり触れられたことがないそこは刺激に慣れなくて、思わず京介の胸を叩いてしまう。
「んな顔すんな。確かめるだけだから」
なだめるように抱きすくめられキスを落とされればようやく気持ちは落ち着くが、それでも京介の指は変わらずそこを突いてくる。
「で、触られた?」
「……さわられて、ない」
本当は忍には少し触れられた。眠りながらの指先で。そしてタオル越しに。でも触られていないと主張するのが今は正解な気がして、葵は京介を見つめ返す。
「お前な、嘘つくとすぐ顔に出んだよ。俺に通用すると思うな」
「……ぁ、や、だ……んん」
葵の隠し事を見抜いた京介は、指を下着の裾から滑り込ませて直接蕾に這わせてきた。それがむず痒くて身を捩って逃げようとすれば咎めるように唇を塞がれる。
少しだけ苦い煙草の味を纏った舌が滑り込むように腔内に入り込み、ぐるりと荒らし出す。弱い上顎をくすぐられ、奥へと逃した舌を捕らえられて甘噛みされる。それだけで泣きたくなるほどの熱が体に広がっていく。
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