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act.5三日月サプリ<37>*

「……あっ……だめ、…んんッ」 「ほら、葵先輩、同じことして?」 するりと下着の中に滑り込んできた聖の手が当たり前のように膨らむ箇所を捕らえてくる。それだけでも体がわなないてしまうのに、支えが欲しくて目の前の爽に縋った手を一つ取られ、爽の下腹部へと導かれていく。 聖と同じことを爽にする。その意味をようやく理解した。 「葵先輩、触りたくない?嫌?」 手早くズボンの前をくつろげた爽は戸惑う葵の様子を見て傷付いたような目を向けてくる。 「う、まく……出来ない、かも」 「大丈夫、俺がこうやって教えてあげるから。ね?早く爽に触ってあげて」 「あっ…あぁ……ん」 示すように聖が丸く輪を作った指先で全体を優しく扱き上げてくる。それだけでもう爽に凭れ掛からずにはいられない。なだめるように背中を擦ってくれる爽は、もう片方の手を葵と繋ぎもう一度、目的の場所に誘導してくる。 「出来る?葵先輩」 耳元に寄せられた唇が紡ぐ懇願にも似た問いには、もう頷く以外の選択肢は与えられていなかった。 葵が首を振るなり、背後の聖がくすりと笑い、爽が安堵したように吐息を零したのがわかる。 「……んん……熱、い」 爽の手に導かれて布の中に潜り込まされた指先がすぐに熱い粘膜に触れた。 触れるだけでなく、聖が葵にするのと同じく手のひら全体に握り込まされたそれは、熱いだけではない。葵とは随分違う質量を持っていた。 「葵先輩が可愛いから、こうなっちゃうの。わかります?」 「葵先輩のも熱いよ。溶けちゃいそうなぐらいね」 「あっ、あっ…待、ッて」 聖が手を上下させる度に、爽も葵の手を動かしてくる。聖の手の中で震えれば、葵の手にもドクンと爽が脈打つ感触が伝わる。 褒めるように爽はキスしてくれるし、聖は空いた手でまた弱い胸をきゅっと摘んでくる。それだけでも今にも弾けそうなほど下着の中がより一層張り詰めてしまう。 「も、出ちゃ……あっ……」 「葵先輩、まだダメ。爽のことちゃんと気持ち良くさせてから、ね」 楽になりたい。溜まりきった熱を解放したくて聖に許しを請えば、戒めるようにきゅっと根元を握られた。ぐちゅりと音が鳴るのは下着越しに散々聖に舐められたからか、それとも触れられる度に先端からとろりと溢れ出てくるもののせいか。 きちんと爽に出来なければ終わらない。そう告げられて必死に見よう見まねで手の中の熱いものを擦ってみれば、二人が張り合うような会話を始めた。

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