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act.5三日月サプリ<39>*
「俺のこと構ってくれないと、次はもっとおかしくなることしちゃいますよ?」
「聖の言うことは気にしないで。ほら、ちゃんとこっちに集中して」
「あぁ……っ!許し、あっ…あ、ん」
与えられる快感が葵の許容量を遥かに超えていてもうただ声を上げて泣くことしか出来ない。許して、そう言葉になりきれないお願いを口にすれば、二人がにこりと笑ったのが分かった。
「「葵先輩、いいよ」」
「あぁーっ!あっ、あぁぁ……んんっ!」
二人同時の囁きと共に、速さを増した爽の手に搾り取るように嬲られ、聖からもダメ押しとばかりに両胸の突起をきゅっと悪戯に摘まれた。同時に腹に飛沫が飛ぶのがわかる。
でもそれで終わりではない。
「あっ!ダメ、ダメ……っ!」
達したばかりで過敏になっているそこはまだ爽のものとともにぐちぐちと弄られる。過ぎた快感は拷問でしかない。視界がチカチカと白んできた頃、ようやく今度は葵からではない、熱い迸りが腹に掛けられた。
荒い呼吸を繰り返す、それだけでも肌が粟立つ。何が何だか分からなくてただ、目の前の白い肩に縋り付くことしか出来ない。
でもこれで終わりではない。そう思い知らせるように、背後から手が伸び葵の腹をドロリと汚す体液を拭うと、それを双丘の狭間へと塗り込んでくる。
「や、だぁっ、あっ、せぇくん」
「ここは?全部ってことはここも舐められてるんでしょ?」
喘ぎすぎて掠れる声で必死に聖を止めれば、彼は蕾を突く指を止めて葵の顔を覗き込んできた。
「烏山先輩はよくて俺らはダメなの?西名先輩は?ここ触らない?」
汗で張り付く前髪を梳いてくれる爽も、優しい動作とは裏腹に少しだけ声に棘がある。
どうしてそんな場所を皆触りたがるのか、こればかりはどうしても葵には理解出来そうにない。都古にだって好きで舐められているわけではない。何度叱ってもぺろぺろと舌を這わせてくるのだ。
「……やだって言うのに、みんなする、から……ホントに、や、なのに」
二人にあたっても仕方がない。そう思っても、整理しきれない頭の中のもやもやをこうして今彼等にぶつけること以外、どうしていいのか分からない。
「そうやって泣くのも可愛いから皆しちゃうんですよ」
「葵先輩が選ばないから皆にされちゃうってのもあると思いますよ」
二人は混乱する葵をなだめるように額や頬にキスを落してくるが、この事態は葵のせいだと言いたいらしい。
京介にも”選べるか”と問われたことを思い出す。京介はこういうことをする相手を選べと言いたかったのだろうか。出来れば誰ともしたくない、そんな選択は有りなのだろうか。
「まぁ、俺らはまだ選ばないでほしいですけどね」
「今のままじゃ不利だからもうちょっと時間が欲しいです」
悩む葵を囲む二人は、少し切なげに笑ってくる。二人の気持ちも分かってやれない。葵が悪いことをしている気分にさせられてしまう。
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