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act.5三日月サプリ<71>*
「葵?」
濡れた金糸から覗く耳たぶをかじって催促すれば、葵は力の抜けた背を京介の胸に預けてきた。葵のこういう所が計算ではないことは知っているが、今甘えてくるのはずるい。
「……白いの、出ちゃう」
震える声でようやく出た答えは回答としては不十分だが、それすら真っ赤になって告げてくる幼さが余計に扇情的だ。
「誰に出させられた?言ってみ」
京介だけの特権だったはずの行為を他に誰がしているのか。もっと深く追及すると葵は更に泣きそうに眉をへたらせてしまう。
「言わなきゃずっとこのまんまだけど、いいの」
「あっ、ん……ヤ…っ」
「じゃあ言いな」
罰を与えるようにただ添えるだけだった手に力を込めて握り込み、おまけのようにもう片方の手で胸を摘むとぽたりと雫が水面に落ちる音が響く。涙か、それとも湯に浸かりながらの行為で滲む汗か。
葵から遠慮がちに出てきた名前は大体予想通りだった。生徒会のツートップに双子。それから都古。
「言ったから、終わり?」
「まだ。つーか、お前手出されすぎ。どんだけ無防備なんだよ」
「あぁ……、っん」
期待して振り返る葵をまだ解放する気にはなれない。むしろ自分だけが知っていた淫らな表情も仕草も、他人に知られたことが悔しくてたまらない。
後ろからきつく抱き竦めて、唇を奪う。葵にとっては後ろを見上げながらの苦しい姿勢なのは分かっているが止められそうもない。この唇もまた、とっくに他にも味わわれているのだ。
「ッ、は……んッ」
どこもかしこも小さい葵は舌まで小ぶり。薄い舌を吸い上げれば連動するように手の平で包んだ場所もぴくりと跳ねる。こんなキスにすら感じてしまう身体が憎らしい。
舌を絡ませる度に漏れる吐息も、閉じられた瞼から滲む涙の色っぽさは他も知っているはず。そうではなく、誰もまだ知らない表情を暴きたい。そしてもっと深くに自分の物だという証を刻み込みたい。
焦燥感に駆られた京介は胸から手を離し、もう片方の手を追うように下腹部へと滑らせていく。
「あ……、ッ、ヤ…何、ん」
解放を待ちわびる先端を戯れのようにくすぐりはしたが、目的はそこではない。膨らむ会陰をなぞり、更にその奥へと指を走らせると、葵が驚いたように身を捩らせ始めた。キスも振り切られてしまった。
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