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act.5三日月サプリ<72>*
「ここ触られんの嫌?あんましたことねぇもんな」
「…だって……そんな、んんッ」
「嫌?俺はしたいんだけど、お前は触られたくない?」
自分でもずるいとは思う。京介は”したい”、そう言うだけで葵が本気で抵抗出来ないことを知っている。今だって京介の手を拒むようにきゅっと閉じられてしまった膝が戸惑うように緩み始めた。
「京ちゃん……なんで?」
キスで濡れそぼった唇を自らの華奢な指先で拭いながら救いを求めるような目を向けてくる葵は、やはり随分いやらしく映る。
頭を撫でられることすら怯えていた葵をここまで育てたのは京介だ。横からこれを味見されるなんて許せない。
「葵、こっちの脚下ろすなよ」
「ゃ……、っん…ッ!」
葵に拒絶の選択肢はない。そう踏んで左脚を掬い上げると、浴槽の縁へと乗せてやる。いくら入浴剤で濁っているとは言え、いつのまにか泡もすっかり消えてしまっている。おかげで普通なら人目に晒さないはずの部分が明るい浴室の照明に照らされてよく見えた。
色素が極端に薄い葵は秘部さえ真白い。刺激を与えてやるとほんのりとピンクに色づくけれど、それでも造り物のようだ。
「声我慢できなかったらこれ噛んでな」
「……ん」
不安そうな葵に薄いフェイスタオルを差し出してやれば、こくりと頷いて大人しくそれを食む。
「お前、俺には良いけど他にはちゃんと嫌がれよ」
素直に身を委ねる所は可愛いが、自ら口を塞ぐ協力をするなんて他の男相手ならばきっとすぐさま抱かれてしまう。
京介ですら普段薄暗いベッドで行う”おまじない”と違い、葵の体をじっくりと観察できる場所での行為で既にいつも以上に高ぶっている。悪夢で泣きじゃくっている葵を穢すことも気が引けるが、今は違う。戸惑いながらも京介が望むなら、と必死に受け入れようとしてくるのだ。
そんな健気なことをされたらいつまで理性が持つのか自信がない。
「ッ……ゃ、ぁ……」
「大丈夫、すぐ入れたりしねぇから。怖がんな」
きゅっと窄まる蕾に指を這わせれば、葵の背がわななく。宥めるように首筋にキスを落としてやるとまた小さく頷きが返ってきた。
”おまじない”の流れでここへは舌を這わせ、指も少しだけ突き入れたことがあるが、それでも葵が覚えているかどうかも定かではない。
まずは触れられることに慣れさせる。髪も頬も肩も背も、さっき散々弄った部分も、そうして怖くないのだと教えてきた。
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