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act.5三日月サプリ<73>*
「ゃ……、ッん、ん」
「そう、こっちに集中してな葵」
後孔に指で優しく触れても違和感のほうが大きいようだ。未知への恐怖もあるのか少し質量を失って震える場所に再び指を絡めてやれば、タオル越しに熱い吐息が溢れる。
一番弱い先端に触れると湯の中でもとぷりと蜜が溢れるのが分かる。同時に後孔もひくんと震えてみせる。
葵にとっても初めてのことだろうが、京介だって無垢な体を抱く経験はない。どうすれば葵を痛がらせず、怖がらせずに抱くことが出来るのか。こうして一つずつ確かめながら進めていくしかない。
「ぁ…ぁ…、ん……うぅ」
何度か同じことを繰り返すと、侵入を拒むように窄まっていた蕾が少しずつ花開いていく感覚が指に伝わる。もしかしたらこのまま指を咥えさせることは出来るかもしれない。
「葵、力抜けよ」
「ひ……ん、ぁぁ……ッ!」
鈴口をぐりと強く弄いた瞬間に、一番細い小指の先を押し込めば葵からは悲鳴が上がった。咥えさせていたはずのタオルも拍子にぱしゃりと音を立てて湯に落ちる。
「痛い?」
「…なん、か……変。お湯、入っちゃ」
呼吸と共に収縮する場所にゆっくりと指を進めながら尋ねれば、蕾と同じようにぱくぱくと唇を震わせながら葵が懸命に訴えてくる。幸い痛みは感じないようだが、ツッと頬を涙が伝うのが見えた。
一般的にも大きく無骨な京介の手は小指と言えど、葵にとってはそれなりに太く感じるだろう。けれど、これぐらいで泣かれても困る。
「葵、もう少し頑張れる?」
最終的な目的が何かを理解させぬままでは意地が悪いとは自覚している。けれど、もし告げて拒否されるリスクよりもこうして何も知らぬ葵を導くことを選んでしまう。
だが京介の予想を裏切り、浴槽の縁に掛けた爪先をきゅっと丸めながら返ってきたのは、柔らかな抵抗の言葉だった。
「……やだ」
俯いた葵を落ち着かせるように頬にキスを落とすが、やはり顔は上がらない。でも葵が続けたのは、京介を煽るには十分すぎる言葉だった。
「京ちゃんの顔、見えないと……こわい」
「……クソ、まじで抱かせろもう」
「え、あ、待、って」
あまりに可愛い拒絶の理由に堪えてきたはずの理性が切れる音がする。
派手な水音が上がるのも気にせず葵の体を抱き上げて正面から向き合う体勢に変えさせ、さっきよりもずっと深く唇を重ねる。急な展開に当然のように葵は驚いて体を離そうとしてくるがもう逃がすわけがない。
さっきは体勢のせいで物足りなかったキスも正面からならたっぷりと貪ることが出来る。
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