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act.6影踏スクランブル<54>*

「や、ん……きょ、ちゃん…それ、や」 「痛くはねぇだろ?」 小ぶりなくせに柔い肉を掴んで左右に開くと、自然に後孔の襞も伸ばされた。淡いピンク色の場所を、唾液をたっぷりと纏わせた舌でひたすらぐりぐりと刺激してやる。 葵は京介が舌を動かす度、悶えるように背をシーツから浮かせるが、まだ快感は掴めないらしい。 「ふぁ…きょ、ちゃ……京、ちゃんッ」 後孔への刺激にはまだ違和感のほうが大きい様子の葵のために、性器が萎えかけるたびに先端を唇で食んでやる。そうすると葵からは熱い吐息とともに京介の名が溢れてきた。 目に一杯の涙を溜めながらも、素直に京介の愛撫に身を任せようとする、その健気さが愛おしい。 「そろそろいけるか。葵、そのまんま力抜いてろよ」 呼吸に合わせてひくつくようになった蕾を見て、京介は次のステップに進むことに決めた。 「ひっ…あ、あぁぁッ」 落ちかけていた葵の両脚をもう一度抱え直し、柔肉の中に固く尖らせた舌をゆっくりと埋めていく。当然のようにキュッと窄まるけれど散々濡らされた蕾の入り口はいつのまにかふやけたように緩み始めていた。 口内とは違う熱さの粘膜は、舌を抜き差しする度に表面の桃色よりも一段濃い色をしていることが分かる。まるで花の弁のように舌の質量に合わせて収縮する場所は、随分と淫らに映った。 「葵、すげぇ可愛い」 はぁはぁと嬌声混じりの吐息を零す唇。それを覆うように添えた華奢な手。虚ろな蜂蜜色の瞳。息をするたび上下するツンと尖った胸の飾り。そしてぽたりと自らの腹に雫をこぼす幼い性器。そしてまだ誰にも散らされていない可憐な蕾。全てが壮絶に京介を魅了してやまない。 「きょ、ちゃ…も、だめ……頭、ヘンに、なっちゃう」 葵はどうしたらこの状況から解放されるのか分からないのだろう。懇願するように手を伸ばし、京介の髪を掴んでくる。その力は随分と弱々しい。 今夜はまだ一度も絶頂に導いてやっていないし、そもそも後孔以外は全てあえておざなりに弄っただけ。葵にとっては生殺しの状態で放置されているに近しいのだろう。 「まぁ今日はこんなもんか」 「今日、は…って?あ、あしたも…?」 混乱した頭でも、都古が居ない間京介とどんな夜を過ごす羽目になるのかは分かったのだろう。”いや”とか”だめ”とか、お決まりの文句を葵が言いかけたことを察して、京介はすぐに”おまじない”に移行した。

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