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act.6影踏スクランブル<70>*
「気持ちくなってきた?」
幸樹の腰を挟むように上げさせた脚の付け根がハーフパンツ越しにもうっすらと膨らんでいるのが見える。チャイムに気が付いて身を捩らせた葵の気を逸らすためにその箇所を撫でてやると、大袈裟なくらい腰が跳ねた。
「ひゃ、んッ…だめ…だめ」
「大丈夫やって、お兄さんに任しとき。怖いことするように見えへんやろ?」
「せんぱい、お願い」
宥めるように額にキスを落としながらゆっくりと下着ごと下ろそうとすれば、葵はようやく抵抗らしい抵抗をしてきた。とはいえ、三十センチ以上も身長差があり、体格も随分と違う葵を力で封じるのは簡単だ。でも葵に再びトラウマを植え付けるつもりもない。
「ローションは今日持ってないけど、ぬるぬるしてるのは持ってんねん。それで気持ちいいことしよ?知りたかったんやろ?」
制服のスラックスからゴムの個包装を取り出し口で器用に封を開けた幸樹は、その中身を見せつけるように葵の目の前に差し出した。水色のゴムに人差し指と中指の二本を嵌めると、それが一般的なものよりもジェルがたっぷりと塗布されていることが分かる。
「これ見るんは?初めて?」
テラテラと光るものを前にした葵の反応はどう見てもこれの使い道を知っているようには思えない。むしろこれを出すシチュエーションまでこぎつけている者がいたとすれば、葵の貞操は確実に守られていないだろう。
「ちょっと使い道はちゃうけど、これで藤沢ちゃんの気持ちいいとこいっぱい擦ったる。ど?楽しみ?」
これを直接葵の肌に擦り付ければ、ローション代わりにはなるはずだ。だが、幸樹の誘いを受けても葵はぎゅっと身を縮こまらせてしまう。恥ずかしがりも可愛いけれど、男子高校生ならもっと性に貪欲になってもいいはずなのに。少し残念な気持ちは否めない。
「ほな、三択な。ここと、ここと、ここ。どこがええか一個選んで」
「選ぶって……そんな」
「もーはよ選んで。選ばんと、お兄さんが裸にひんむいて全部食べんで」
幸樹が指し示したのは体操着越しに僅かに存在を確認出来る胸の突起と、ハーフパンツの膨らみ。そして柔らかな双丘の狭間。幸樹としてはどこを選んでくれても美味しいし、なんなら選ばずにこのまま全て頂くのも大歓迎だ。
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