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act.6影踏スクランブル<73>*
「ここだけでイッちゃいそ?イッてみよっか?」
「は、ぁ……ん」
「お兄さんもそろそろ限界。オカズにさしてな」
ハーフパンツの合わせ目を押し上げるほど膨らんでいるのは見て取れたし、幸樹自身もそろそろスラックスがはち切れそうになってきた。手早くチャックを下ろして熱く猛った物を取り出すと、ポケットから新たなゴムを取り出して慣れた手付きで装着する。
「藤沢ちゃんも付けてみる?汚したくないやろ」
「あ、う……」
優しい手付きで膨らみを擦ってやれば、葵は恥ずかしそうに腿をすり合わせて顔を背けてしまう。幸樹のモノも直視出来ないのだろう。さっきまであれほど淫らな声を上げていたというのに、やはり中身はまだ子供なのだと実感させられる。そのギャップがまた幸樹をゾクゾクさせる。
「ほな、そのまんまでええの?まぁサイズ合わんし、付けても溢れるか」
脱ぐのも嫌がる葵に無理強いするのも気が引ける。それに幸樹と同じサイズを付けさせても、うまくカバー出来ないのは予測がついた。
「藤沢ちゃん、また仲良くしてくれる?お兄さんのこと嫌いになっちゃった?」
「あ、あッ…ん、好き…す、き」
「たまらんな、それ」
再び葵に覆いかぶさり、涙で濡れた頬にキスを落としてやると甘えるように葵の腕が回ってくる。深い意味はないと分かっていても、懐く葵が愛しくて仕方ない。
もう一度唇を重ねると、今度は指示しなくても逃げずに小さな舌を差し出してくれる。それを遠慮なく吸いながら、幸樹は乳首への悪戯を再開させた。ただ摘むだけでなく、ひねり上げるように捏ねると身体を震わせて重なった唇からとろりと唾液が溢れていく。
「やばい、藤沢ちゃんとチューしながらするの、セックスよりええわ」
溢れた唾液すら吸い上げながら、幸樹は空いた手で己のモノを扱き上げる。単なる自己処理ではない。葵と抱き合いながらの行為は格別だった。愛情のない相手とする性行為とは比較にならない。
「ひぅ、ひっ……あ、あぁ!」
キスの合間に寂しそうにする右側の突起も吸ってやる。緩急を付けながら吸い、さらに舌でグリグリと押し潰すと葵がいよいよ耐えられないと言いたげに腰を揺らしてきた。
「おっぱいだけでイケる?それともこっちも弄ったろか?」
「あっ、あぁッ…だめ、京ちゃ、が」
「ん?京介が何?」
二人の世界に浸っていたはずが、不意に葵から京介の名が出てつい幸樹の指に力が入る。腫れた乳首を摘んで引っ張ってやりながら聞き出すと、葵は可愛く鳴きながら”京ちゃんが怒るからダメ”なのだと教えてくれた。
京介が一体どういう教育をしてきたのか分からないが、そもそもこの行為が何かをきちんと指導しないままただ制限したところで葵がちっとも京介の意図を理解していないのは明らかだった。
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