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act.6影踏スクランブル<74>*
「藤沢ちゃんは京介以外と仲良くしたくないん?嫌やった?こんなエッチなことするお兄さんのことやっぱり嫌い?」
「…ん、ちが……好き。なかよく、したい」
「ほな、京介には内緒にしたらええやん。お兄さんと藤沢ちゃんの秘密、な?」
葵が否定しにくい言葉を並べて言い聞かせる自分はなんて卑怯なのだろうか。それでも葵が蕩けた目をして、ゆっくりと自分のハーフパンツを押さえていた手の力を緩めていくのを見るとどうしようもなく興奮してしまう。
「大丈夫。もし怒られたらお兄さんが助けたるから。藤沢ちゃんのこと苛めるやつは全部しばいたる」
今葵を苛めているのは幸樹に他ならないのだが、葵はそれに気が付いていないらしい。安心したように抱きついてこられるとこのまま純潔も奪ってしまおうかと悪い考えさえ浮かんでくる。
だが、初めてはこんな古ぼけた温室ではなく、きちんとしたベッドで抱いてやりたい。理性が極端に弱い狼にしては唯一まともなポリシーであった。
「解決したとこで、今度こそ続きな」
「あ、ん……やッ」
「嫌ちゃうやろ?お兄さんのこと好きってゆーてくれたやん」
「んぅ…す、き…好きッ…あん」
「たまらんわほんまに」
ここがどこかも何時かももう葵の頭には残っていないらしい。ただひたすら幸樹にしがみついて好きと甘えてくる姿は幸樹を滾らせる。
深く唇を合わせ濃すぎるキスを交わしながら、幸樹は自身のモノを扱く手を早めていく。もちろん葵のピンと張った乳首も摘み続けて快感を与え続ける。
「こっちもしたるな」
「はぁ、あ、ん、あっ」
それだけでは達するに弱いのかもしれないと、膝でハーフパンツ越しに脚の間の膨らみを擦り上げると葵の声に焦りが出てきた。無意識だろうが、小ぶりながらもすっかり勃ちあがったそこを自ら幸樹の膝に押し付けてもくる。
「あっ、んぅ、あぁぁ……っ」
要望通り、グリグリとこすると葵はヒクンと一際大きく身体を震わせた後、ぐったりと脱力してしまった。
「想像以上にエッチで最高やな、藤沢ちゃん」
体力がないせいか、葵は達した後そのまま気を失ってしまう。その姿を見てやりすぎたという罪悪感以上に、満たされた気持ちになるところが己のダメなところなのだろう。幸樹は昂ぶった自身の処理をさっさと済ませると、白濁がたっぷりと溜まったゴムを投げ捨てた。
「さてと、このまんま帰したら殺されんな」
一旦熱を放出すると頭は冷静になっていく。
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