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20、ハマム③*
なん、で……。
握られたソレは、小さいながらも主張するように、緩やかに勃ち上がっていた。
「感度が良いようで何より。ウブな顔して意外と淫乱なんですねぇ?」
「ち、ちがっ……その、お風呂で、、血の巡りが良くなったから……。」
苦しすぎる言い訳に、ファサイル様が唇の端をクイッと上げた。
「ほぉ。お前は浴室に入る度にココを勃たせるのですか。」
益々淫乱ですね、と嘲笑され顔が真っ赤に染まる。
「どうします?このままハマムから出たらただの変態ですけど。」
「……っ!」
そんなの、言われなくったって分かってる。
「楽にしてあげましょうか?」
「……え。」
こうやって、と握っていたその手でスルスルと撫で上げた。
「ひぁあ!あ、あ、、や、やめてっ」
これでもいっぱしの16歳男子、自分でそうやる行為くらい知っているし、やった事もある。
しかし他人の手によって行われるソレは、自分でやるのとは比べものにならないほどの快感が沸き起こってくる。
未知の感覚に快楽よりも恐怖が勝り、自然と拒絶の言葉が口に出る。
「止めてどうするんです?自分でやって乱れてみせるんですか?私の目の前で。」
「や、やだっ!」
他人の前で自慰行為をする。
想像したことすらない淫靡な提案に必死で首を振る。
「なら我慢なさい。」
「あ、や、ひぁ、、んあ。」
右の手が再び動きだし、必死に押さえ込もうとする心の蓋をあっさりと快感が抉じ開ける。
長い綺麗な5本の指が、先から滲み出てきた淫液を纏い、男根に撫でつけるようにして擦りあげる。
堪らず腰を動かすと、咎めるようにもう片方の手が右の乳首を引っ掻いた。
「イッ…ああんっ!」
散々なぶられた末に放置されていたソコは痛い筈のその行為にさえ快楽を拾い、歓喜に打ち震えている。
「左をそんなに突き出して……そっちも寂しいんですね?」
フワリと密着していた背中から気配が消え、支えを失った体を代わりに左腕で支えらながらタオルを牽いた大理石の台座に優しく倒される。
温室特有の床の熱さを感じないくらい、体は熱い。
上に覆い被さったファサイル様の顔が胸に埋まる。
「ひああああっ!」
痛みとは違う、ジュワリとした刺激が左胸を襲った。
「な、なにっ!?」
後ろ手をついて顔を向けると、乳首を嘗める赤い舌と、こちらを窺う赤い瞳が目に飛び込んできた。
ああ、食べられる。
ズクン、と腰の奥で何かが熱く溶けたような感覚に満たされた。
小刻みに震えてきた腰に気づいたファサイル様が、胸の突起への刺激を止めないまま男根を擦る手を早める。
「あ、あ、あ、ひぁあああ……!」
快感が弾け、頭が真っ白になる。
限界を迎えた体からは力が抜け落ち、意識は白濁としている。
気持ち、良すぎ…………。
体力的にも精神的にも色々限界で、ラヒームは朦朧とする意識を自ら閉じた。
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