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24、準備②*

冷たいだろうと思って身構えていたが、垂らされたオイルは常温で拍子抜けする。 わざわざ温めてくれたのだろうか。 「解してから指を一本ずつ入れていきます。」 ……え。 「指って、ひゃんっ!」 最後まで言い終わらない内に蕾周辺を指で触れられて、思わず声が上がる。 「慎ましやかな蕾かと思えばこんなにヒクヒク収縮して、誘ってるんですか?」 「ひゃっ、違うから!やぁ、いぁ……」 クルクルと指先で入り口を撫でられたら堪らない。 誘うとかじゃなくって、こそばゆくて生理的に……と説明したいのに、絶えず弛い刺激が送られてきてはとてもじゃないが喋れない。 「一本目挿れますよ。」 「え、ちょっ…ひぃいい!」 プツン、と制止する間もなく侵入してきた指の感触に悲鳴が上がる。 丁寧に解されたおかげか痛みは全く無いが、異物感は否めない。 閉じようとする内壁がギュウギュウと指を圧迫するため、ファサイル様の指の形を確り認識してしまう。 あの白くて長い、綺麗な指が自分の中にはいってる。 そう思うだけでゾクゾクとした興奮が這い上がってくる。 「まだキツイですね。動かしますよ。」 「っ、、っぅあ!」 クルリ、と指がナカで回りながらもより奥へと潜っていく。 その内もう一本指が足されて益々内壁の締め付けが強くなる。 もう中とっくにギュウギュウで、身動ぎ一つ出来ないと思うのに、ファサイル様は容赦無く二本の指をバラバラに動かし穴を押し拡げていく。 「あぁん……っひぁああ!」 突然クイッと指が曲げられ、予想していなかった動きに声が抑えられない。 曲がったって……第二関節以上挿ってるってことだよね? というか異物感だけだった筈なのに、ゾクリとした別の何かが湧き上がった気がする……。 「快感はありますか?」 「っわかんなっ……けど、何か、ヘンッ」 「僅かですが痙攣しましたし、ココがお前の前立腺でしょうね。」 「前立腺……。」 「医術科で習いましたよね?」 「……ん。」 「開発すれば、普通の自慰とは比べものにならない程の快感を得られるようになりますよ。」 「そんなのいりませ……ひぁんっ」 喋ってる途中に動かすとかズルい……! 「させますからね、今から。」 「ふっ……ぁあん、っぇえ?」 散々刺激しておいてツプリと抜かれた指に少し名残惜しさを感じる。 出ていく途中に擦られた粘膜がムズ痒い。 ……いやいや、名残惜しさじゃなくて安心。 やっと終わったんだ、この恥ずかしい行為が。 あれ、でもさっき「今から」って……。 悪い予感がして恐る恐る背中を振り返ると、ゾクリと身震いするほど妖艶な微笑みを浮かべたご主人様の顔があった。 「今のはただの準備ですから。これからですよ、今日の本番は。」

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