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27、玩具③*
「ほら、今度はナカを締め付けるように力を入れてみなさい」
「……ぃ。」
いやだ。
悪い予感しかない。
でもそれを口にしたところで無理矢理やらされるのは目に見えている。
カワイソウな僕は鬼畜なご主人様の命令に従うしかない。
……はあ。つい数秒前までの穏やかな空気はどこへいったのやら。
仕方なくオズオズと下半身に力を入れてみる。
蕾がキューッと収縮していくのが、エネマグラの感触から分かる。
「んっ、、あぁん。」
「次、息を吐いて力を抜く。」
「ふぃああ……あんっ」
何コレ。
ヤバい。
直腸の運動に従って、収縮の度に玩具の突起が前立腺を刺激する。
触れるだけの弱い刺激なのに、繰り返す度に着実にその快楽の波は大きくなっていた。
「ひんっ……あああっ!」
三回その動作を繰り返しただけで、息は荒くなり喘ぎ声を出す唇は小刻みに震えていた。
「も、もぉムリ!」
「ダメです。続けなさい。」
必死の嘆願もご主人様には届かない。
でも、本当にもう限界なのだ。
直腸が蠕動運動でうねるだけで、自然にエネマグラが前立腺を刺激する。
更に自分でその運動を促進させるなんて、自殺行為も甚だしい。
返事も出来ずに、ただナカのうねりが静まるのをやり過ごすしかない。
「んっ、ううぅ……。」
「お前は開発など必要無いくらいに感度が良いようですね。」
「ひぁ……ん……ぁあ。」
「しかしこの程度でへばっているようでは私の相手など出来ませんよ?」
「くっ……ゃあん……!」
「返事もままなりませんか?」
「……。」
快楽をやり過ごす事に全神経を注いでいるラヒームは、ファサイルが話しかけている事も、それを無視している事で機嫌を損ねている事に気づかない。
ギュッとシーツを握って震えているラヒームの背中を撫でていたファサイルの手が離れる。
パシィンッ
「ふぎゃっ……ああああん!」
一瞬何が起きたのか分からなかった。
音に遅れてお尻に痺れるような衝撃が走り、咄嗟に体に力が入った事で静まりかけていたも直腸が大きくうねる。
「そうやって力を入れるんですよ。」
ハァハァと荒い息をつき、漸くお尻を叩かれたのだと悟る。
痛みは一瞬だが、衝撃でうまれた快楽は長々と続く。
「な、何するんですか!」
「お前が言う通りにしないからでしょう?やらないなら今のように手伝って差し上げましょうか?」
手伝うって、お尻を叩くってこと……?
「や、ヤダ!自分で、自分でするから!」
「なら最初からそうして下さい。」
咄嗟にそうは言ったが、やっぱり数回で限界が来て止めてしまう。
そうすると平手が落ちてきて、強制的に力を入れさせられる。
「ひあああ、ん!!」
痛みと快楽が一斉に襲う感覚に混乱する。
音の割に痛みが少ないというのもあるが、だんだん叩かれる事が気持ち良い感じてくる自分が怖い。
経験したことの無いほどの大きな快楽の波。
それが叩かれて内壁を締め付けてしまう度に更新される。
頭が快楽一色になり、何も考えられない。
寝室にはラヒームの喘ぎ声と時折お尻を打擲する音だけが響く。
いつの間にか、質されなくとも自ら快楽を得ようとお尻を振っていた。
「ぃやあ、ああぅ………ひゃああああんっ」
横になっていた体は抱きおこされ、ファサイルの目の前で嬌声を上げる。
恥態を見られていることを気にする余裕など無く、兎に角イキたくて膝の間で震えている一物を解放しようと手をまさぐる。
しかしそれを見咎めたファサイルは左手一本でラヒームの両手を背中に括りつける。
「もぉ、やぁああ………。」
欲情に濡れたアーモンドの瞳から大粒の涙が零れ落ちる。
何でジャマするの?
イキたいのに、快楽の渦に呑まれて死にそうなのに。
キッと邪魔をする張本人を睨み付けると、クスリと笑われた。
「イキたいですか?」
当たり前の事を聞かれ、コクコクと必死で頷く。
「なら口に出してお願いしなさい。」
そんなの、
「ゃあ………。」
イキたいけど、それは恥ずかしい。
ファサイルの胸に顔を埋めたまま、かああっと耳を赤く染める。
ここにきて羞恥心が甦り、言葉にする事を躊躇ってしまったラヒームに、ファサイルは無理矢理顔を合わせさせる。
「言わないならずっとこのままですよ?」
「ぃやあ!ひゃあああん!」
空いている右手で、爆発寸前で堪えているソコを弾かれ悲鳴を上げる。。
「ならどうするんです?」
もう、頭の中はイク事しかなかった。
限界だった。
「ィカせて……!」
振り絞るようにそう叫んだラヒームに、ファサイルは今日一番の笑みを溢した。
妖艶すぎるその顔は、呼吸をするのを一瞬忘れる程だった。
「良くできました。合格です。」
スルリと股間をまさぐられ、渇望していた刺激を与えられる。
「ぁ、ぅ、ひああああああ!」
パタリと散った白濁液と共に、意識は完全にショートした。
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