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第14話
日和は新作のプリンを、芹沢はチーズケーキを選び、ぺろりと食べてしまう。クリームの多く入ったプリンは甘く濃厚で美味しかった。
制服に着替え、入寮式開催場所である一階の食堂へ向かう。既に何人かの生徒が集まっていた。グリーンタイの生徒もいる。大きな荷物を持っているので、昨日前入りはしていなかったのだろう。
「失礼します」
「はーい。あ、昨日大丈夫だった?」
食堂の入り口で出欠名簿を取っているレッドネクタイの二年生は、昨晩お風呂でお世話になった柴咲だった。
「はい。ありがとうございます」
「ご迷惑おかけしたようで……すみませんでした」
芹沢が先にお礼をしてくれたので、日和もそれに続いて謝罪した。柴咲はまた屈託のない笑顔を向けてくれる。
「大丈夫ならよかったー。気にしないでいーよ。自分の名前のところに、丸書いてね」
「はい」
「すっかり仲良くなったねー」
えっと柴咲の方を見て、それからはいっと頷いた。芹沢は横でくすりと笑う。
恥ずかしくなりながら、食堂の入り口近くの席に二人は座った。
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