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第16話

週に一回は共同スペース等の掃除があったり、ごみだしの曜日が決められていたり、朝夜の食事がいるかを前もって出す必要があったり。その他、共同生活をする上での決まりごとなどが列挙されていく。 「たくさんルールがあって、最初は覚えられないかもしれないけれど、すぐに慣れるからね。わからないことがあったら聞いてください。共同生活の基本は、他の人が不快にならないように行動することです。これからよろしくね」 柴咲が癒し系の笑顔で礼をし、入寮式は何事もなく終わった。 早速明日から始まる朝食と夕食の予約をと、キッチンの横に貼られた名簿にぞろぞろと入寮者が並んでいく。日和と芹沢もそれに続いた。 「要、ようこそ」 「おー、柴咲。堂々としててびっくりした」 新しい入寮者の中、一人だけレッドタイの生徒がおり、柴咲が話しかけていた。 「いつまでかはわからねえけど、よろしく頼む」 「うん、よろしくね」 同じクラスなのだろうか。進学校の紫水では珍しく金髪、ピアスをしており、少し怖そうな雰囲気だった。 そうこうしているうちに、日和の番になり、食事が必要な日を予約する。芹沢も記入するのを見届けて、一緒に部屋まで戻ろうと並んで歩く。と、ある声に呼び止められた。

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