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第6話
専心寮を出て、学園近くのファミレスに入ることにした。
簡単な自己紹介から、色々なことを話題に盛り上がる。今日会ったばかりなのを忘れるくらい、芹沢とは話しやすかった。
「小春は東京なんだな。通えるのにどうして寮に?」
芹沢の質問に、不純な動機を見透かされてるようで、緊張が走る。
「なんか寮生活って楽しそうじゃん?」
当たり障りのない返答をすると、特に不審には思われなかったようだ。
「確かに、な。俺、小春が同じ部屋でよかった」
真っ直ぐに見つめられ、日和は顔が熱くなるのを感じた。
「俺も……、最初、めちゃくちゃ不安だったけど、芹沢でよかったよ」
「ほんとに?よかった。これからもよろしくな」
芹沢が目を細めてにっこりと微笑む。日和はパタパタと熱い頬を扇ぎながら、何度も頷いた。
「てか、芹沢の方こそ、どうして紫水に来たんだ?実家京都って、遠いよな」
「ああ、それは……」
芹沢は目を泳がせて一度、メロンソーダを流し込む。どうやら甘党らしい。日和は、また余計な質問を返してしまったか?と不安になる。
「俺も小春と同じ。なんか憧れるよな、寮生活って。祖父母は東京だし」
「ああ、そうなんだ」
芹沢は鼻を掻きながら肩をすくめる。軽い調子の返答に、日和はほっと胸を撫で下ろした。
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