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優男×男娼

お店の子たちは例えるならみんな猫のようだ。ふらふらふわふわ気紛れなあまえたがり。 でも最近の俺のお気に入りの子は違う。毛色が違うというか、何故こんなところにいるのだろうと思うような。ふるふるびくびくまるでうさぎのよう。 今日も俺はその子を指名する。 「こんばんは、しーちゃん」 「こ、こんばんは、天城さん。本日のご指名っ、ありがとうご、ございます!せいっぱい、」 「うんうん、今日もよろしくね。じゃあさっそくだけど、おいで、しーちゃん」 しーちゃん。そんな名前がまったく似合わない青年だ。 見た目でいえば体は厳ついと言えるほどに筋肉が隆々とついており、顔は…今は眉が下がって涙目なのでなんとも情けないが、きっとギロリと彼が睨めばそこらのチンピラは目をさっと逸らすであろうほどに精悍だ。 そんなしーちゃん、名前も似合わないが中身もなんとも似合わない。 おどおどうろうろ。目線は床に、逞しい足はぷるぷるしている。なんてったって怖がり臆病な緊張しいの淫乱ちゃんだ。 ぷるぷる震える足で、いつもの指定席である俺の膝の間にぽすりと座って顔を真っ赤に目を瞑るしーちゃん。かわいいなあ。 今までは華奢で細身な青年が多かったがしーちゃんはまた違う魅力があっていい。なんだかかわいいと思えるのだ。 俺より厳つくて、高長身で、少しばかり年上であろう彼のことを。 「お、重く、ないですか…」 「ふふ、毎回それ聞くよね。がっつり乗ってかまわないのに」 「そ、そんな!天城さん、細いし」 「頼りない男は嫌い?」 「やっ!そ、そんな、そんな意味じゃ、」 「うーそ。わかってるよ」 あわあわ、赤い顔をもっと赤くして抗議してきたしーちゃん。かわいいけど泣き顔はまだお楽しみ。 「でも、傷ついちゃったな。…キスして、癒してくれる?」 「…っ、は、い……」 目を瞑れば恐る恐る首にまわされる腕、ゆっくり近づく体温を感じた。 ここは都会の路地の奥深くにある、男たちが身体を売るお店。少年から青年、壮年と年齢も幅広く、少しばかり高い年会費を落しても来たがる客は多い。誰かしらの紹介がないと足を立ち入れることすらできない秘密の砦。 独立して会社を立ち上げる前、親しくしてくれていた上司に紹介してもらって遊び半分に始めた男に俺はいつのまにかどっぷりだ。特にしーちゃんと出会ってからは仕事が終われば来るようになってしまった。 「ふふ、しーちゃんの中、あったかいね」 「は、ぁ、良かったですぅぅ、うぁん、動いちゃ、ぅおっ、んぐ!」 低くて色っぽい声の出処を塞いで、舌を差し込めば必死に巻きつく舌。 ぎゅっと瞑った目がかわいくて、唇を塞いだまましーちゃんちんこを扱きながら奥を突き上げた。途端、目を見開きながら逃げようと暴れる。 逃さず押さえつけて唾液を流し込むキスを続ければ指先が白くなるほどにシーツを掴み、足先でシーツを掻く。 前立腺をなぞりながら奥を突き上げられるのはしーちゃん大好きなんだもんね。ちんこも扱かれるの大好きだもんね。 ごくりとやっと俺の唾液を飲んだしーちゃんの唇を離せば真っ赤な顔で必死に空気を吸い込みながらも喘ぐ。器用だなぁ。でも鼻で息できないの不器用だなぁ。 「あっ、あっ、んぐぅ」 「いーこ、だね。しーちゃん、ごほーびっ、あげ、るっ」 「ひぃんっ、うっ、や、やらっやらっそれだめぇぇぇ」 奥を突き上げながら先走りの溢れる先っぽをぐりぐりと親指で弄ってあげる。 「イっちゃ、イきまふぅ、ぅ、あま、ぎしゃ、イぐうぅっ」 「ふふっ、いーよっ、ほらっ!」 声にならない声をあげてしーちゃんがイく。血管が浮く両腕と汗ばんだ腹筋までイイって思うなんて、俺って実はマッチョ好きだったのかなぁ。 「帰るね、しーちゃん」 ピロートークなんてなく、精を吐き出した瞬間目に入ったスマホにため息をつきながらベッドで浅い息をしてるしーちゃんに声をかける。 「え…もう、ですか?」 息を整えたしーちゃんが、時計をちらりと見ながら言う。 「物足りない?」 「えっ!や、や、ちが、」 「いつもならあとにかいは遊んであげられるもんねぇ」 「うう、ちが、くて、天城さん、満足…できました?」 なんか、なにか、俺、だめ、でしたか。ぷるぷるしながら小さく呟く可愛いウサギちゃん。 思わず口角が上がる。なんてーかこんなガチムチちゃんに言われると男の征服欲刺激されちゃうし。しーちゃん可愛いし。意地悪できないね。 「違うよ、仕事、入っちゃったの」 「…そ、ですか」 「またくるね」 「…はい」 はにかみ笑顔のしーちゃん。 ああ、かわいい。これは素なの?演技なの? 分からないけど、分からないのもいいよね。ただ、俺がしーちゃんをかわいいと感じることだけが事実なのだから。 end

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