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第9話

「まじで?」 「うん」 「じゃあ、お願いしたいことがあるんだけど」  大貴はもじもじしながら言った。  いつも何でもはっきり言う大貴にしては珍しい。 「なに?」 「口でしてくれない?」 「口?」  意味が分からなくて、僕は首を傾げた。 「口っていうか、舌?」 「舌?」  聞き返すと、大貴はじれったそうに眉間に皺を寄せた。 「わざと聞いているのか?」 「え? 何が?」  本当に、何を言っているのか分からない。  まるで宇宙人と会話をしているみたいだ。 「だからさ、フェラしてって言ってるの。俺のチンコを舐めて」 「え、えええ?! 汚いよ!」  僕がそう言うと、大貴は傷ついた顔をする。  なんでそんな顔をするの?  おちんちん舐めるとか、ありえなくない?    普通のことなの?  真面目な顔をしているけど、大貴の冗談なの? 「俺は好きな奴のチンコなら舐められるけど」 「嘘。だったら、僕のも舐められるの?」 「舐められるよ。むしろ舐めたい」  本当に?  今なら冗談で済ませられるよ。  ほら、早く冗談って言ってよ。 「舐めてっていったら舐めてくれるの?」 「いいぜ」  大貴は頷いた。  本気だ。

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