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中学時代から大した壁にもぶつからず淡々と過ぎていた学校生活が一変した。 深山木が僕の領域を蝕んで食い荒らし始めた。 日々の行動を共にしていた同中のクラスメートは遠ざかり、女子は好き勝手に僕と深山木の関係を脚色し、上級生の男子からは馬鹿にされた。 深山木が身長一八〇センチの運動部員に可燃ゴミを撒き散らしながらポリバケツで殴りかかって以来、罵声はかけられずに済んでいる。 それでも入学当初に比べると深山木の素行は大分落ち着いたらしい。 四月中に頻繁に見られた遅刻、早退、何の言葉もなしに授業中の教室を退出するという甚だ自分勝手な振舞、それらはゴールデンウィークを過ぎてから修まったという。 校内に広まった如何わしい噂については一度だけ担任から注意を受けた程度だった。 学校に親が呼ばれるような非常事態には至っていない。 狭い町なので耳に入るのは時間の問題だとは思う。 その時の対応は……ああ、考えたくない。 しかし深山木を害虫扱いしている僕にも責任はあった。 性格の把握しづらい彼を邪険にはできず、はっきりとした意思表示を未だ出せないでいた。 それに放課後はたいてい深山木の住む離れに寄り道していた。 わざわざ週末に出向く日だってあった。 欲望が理性を上回って僕は深山木との度が過ぎた戯れに没頭していた。

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