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第2話

2人の葬儀は密葬にした。 一応は親戚なんかには連絡したが葬儀に来たのは兄と義理のお姉さんの身内と親しい知人。 葬儀の間はお姉さんの身内が幸大を見てくれていたが引き取る事は出来ないと言われた。 ご両親は、お姉さんの兄夫婦の家に住んでいて兄夫婦にも1歳になる子供がいる。 申し訳ないと頭を下げられた。 僕は無理にお願いする事も出来なくてというか幸大の事を考えている余裕が無かった。 あの時、幸大を守ると決めたのに・・・? それから2人の葬儀が済んで帰宅して落ち着くと幸大の様子がおかしい事に気付いた。 ミルクの時間にもミルクを飲まないしずっとグズって急に火が付いたように泣き出してしまった。 「幸大、どうしたんだ」 「うぎゃあぁぁ〜。ヒクッ・・・」 「えっ、幸大!」 幸大は身体を震わせ唇が紫になり始めている。 僕はどうしたらいいか分からなくなり幸大を揺すろうと手を伸ばしかけた時にその手を掴まれた。 「そのままにして、横向きに寝かせるから少し落ち着きなさい」 「あっ・・・はい」 低い声で僕を落ち着かせるような優しい言葉遣いで話しかけてくれる男性。 その男性は幸大をゆっくりと横向きに寝かせると携帯を取り出して誰かに電話をし始めた。 どうしよう僕の事ばかり考えていて幸大の事なんて見ていなかった。 大切な家族なのに・・・。 「大丈夫か?」 ふわっと僕の頭に手を置くと優しく撫でてくれる暖かくて大きな手。 兄もこうやって頭を撫でてくれた。 もう兄さんはこうやって頭を撫でてくれないんだと思うと胸が苦しくなり目頭が熱くなった。

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