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第7話

「うわぁ〜んっ。こうちゃんがぁ〜。」 「こらっ、幸大。」 ハイハイする様になってから幸大は真理亜ちゃんの後をついてまわる。 僕が少しだけ目を離したら幸大が真理亜ちゃんの長い髪をギュッと掴み引っ張っていた。 「幸大、だめだよ。真理亜ちゃんが痛いから離しなさい。」 「だあっ!」 「いやじゃないの幸大」 最近、幸大が言う事を聞かなくて困っている。 僕は幸大を後ろから抱える様にして座ると掴んでいる幸大の手を握りゆっくりと真理亜ちゃんの髪から指を外して行った。 幸大は外されるのが嫌で暴れようとする。 「ごめんね。真理亜ちゃん。もう少しだけ我慢できる?」 「うん。」 真理亜ちゃんは大きな目に涙を溜めながら頷いて大人しくしている。 その間も幸大は手足をバタつかせて髪を放すまいと頑張っていたがやはり僕の力には勝てない。 「ぎゃあぁぁ〜!」 今度は幸大が大泣きを始めた。 最初はビックリして宥めたりしていたが最近はこうなると放ったらかしにしてある。 「めっ!幸大が悪いから泣いてもダメだよ」 「ぎゃあああ・・ああっ・・うぅっ・・・」 「こうちゃん、なかないでこれであそぼう」 真理亜ちゃんは幸大が好きな音のなるオモチャを持ってきて泣いている幸大の目の前に出すとさっきまで泣いていた幸大が笑い出した。 「真理亜ちゃん、ありがとうね」 「うん」 「ううっ・・ぶうぅっ」 本当に真理亜ちゃんには助けられている。 まだ3歳なのにしっかりとしていて幸大が何をしても怒ったりしない。 心の優しい子だよ。

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