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第11話
紘兄ちゃんの顔が近づいてきて紘兄ちゃんの唇が僕の唇に触れるくらいで止まる。
「なんて顔してるんだ。嫌なら言わないとダメだぞ暁斗。そろそろ寝よう」
嫌じゃないから困っている。
紘兄ちゃんは本気で僕とキスをしようとしていたのだろうか?
僕からゆっくりと離れる紘兄ちゃんを見つめたままでいた。
「暁斗、寝ないのか?」
「あの・・・紘兄ちゃん・・・・」
「どうした?」
「好き・・・なんだ。僕は紘兄ちゃんが好きなんだよ。だから、さっきみたいな・・・ううっ!」
何?
紘兄ちゃんの顔が近い。
えっ?
紘兄ちゃんの唇が僕の唇を塞ぎそれから噛むように荒々しく唇が重なり合っている。
何が起きているか理解しようとしたけれど互いに求め合うように唇に貪りついていた。
僕は抑えきれない感情を剥き出しにして紘兄ちゃんの首に両腕を回し離れないようにギュッと力を入れた。
夢でもいいよ。
好きだよ・・・大好きだよ紘兄ちゃん!
紘兄ちゃんの腕が背中に回され僕と同じ様にギュッと力が入っている。
この温もりは夢じゃないよね。
紘兄ちゃんも僕を好きでいてくれたと思ってもいいよね。
僕の身体がゆっくり後ろに倒れていくと紘兄ちゃんは僕から唇を離して少し目にかかった僕の前髪を指で触れた。
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