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第9話
そういえば、まだ押し倒されたまんまだなあとかのんきに思ってた時だった。
ガチャ……
あ、王様か。ん?なんか怒ってる??
「おい…」
と王様がどすぐろーい声で言った途端、銀色の狐の顔が赤から青に変わった。それはもう、リトマス紙みたいに。
王様がジリジリ寄ってくる。玄関は歩幅一歩分しかないからすぐついたけど。
王様はベッドの上に乗りまた近づいてくる。
王様が近くに来るにつれて銀色の狐の顔はさらにだんだん青くなっていく。あ、なんか面白くなってきた。
「レ、、レイ、、、。あのな、これは違うぞ?ほんとに違うからな!!虫がな、虫が飛んできてな、、っ!ほんとになんもないからなっ!!」
銀色の狐が王様に訴えながら、俺を助けを求めるような顔で見てきた。なんかかわいそうになってきた。助けてやるか。
「王様?んーと、レイか??銀色の狐の言ってること信じてあげろ。」
(覚えていたのか…俺の名前…)
王様は顔が赤くなりながらもなんか嬉しそうだった。
「おい、シン。失せろ。」
「お、おう…」
というと、銀色の狐ならぬシンさんは
(幼馴染なのに…)
とかぶつくさ言いながらまた窓から出て言った。
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