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拾ったモノは…⑤
はふはふと、じゃれつく子犬と戯れながら泡だらけになり、大笑いしながら風呂から上がってドライヤーをかけると…
グレーというよりシルバーの見事な毛並みが現れた。
「お前…本当に野良犬?血統書付きの犬じゃねーのか?」
あの小汚かった毛皮の塊が、美しいもふもふの美犬に変わってしまって、俺はただ驚くだけだった。
そんな俺の足元に甘えた声を上げながら擦り寄ってくる子犬。
「お前、何者?」
脇を抱 えて抱き上げると、ブルーの瞳が真っ直ぐに俺を見つめている。
うわあ…綺麗…まぁ、何でもいいや。
「名前!名前決めなきゃ…うーん…銀色…シルバー…シルバ。
そうだ、お前はシルバだ!いいよな?シルバ。」
“きゅん!”
「いい子だ。これからよろしくな、シルバ。」
頬擦りして抱きしめる。
あぁ、至福。
こんな幸せな日がやってくるなんて!
生きててよかったよぉ〜。
それから思う存分シルバと戯れて、簡単に晩飯を食べて、ちょっと早いけどシルバをゲージに入れた。
「おやすみ、シルバ。また明日な。」
ドアを閉めた瞬間
“きゅうーん、きゅうーん”
出して!連れて行って!一人にしないで!
そう言ってるみたいに聞こえる。
あぁ、しょうがねーな。ドアを開け、シルバを抱きかかえて
「いいか?絶対にベッドでおしっこするんじゃねーぞ?
やったらここから放り出すからな?」
“きゅん!”
ふわふわの塊を抱きしめて…何カ月ぶりかの熟睡の世界へと旅立っていた。
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