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シルバの正体②
シルバを愛おしげに抱きしめる長身の男性と、尻尾を千切れんばかりに振りまくりその顔を舐めまくるシルバ。
あらー?飼い主さん?
でも、シルバって呼んでたぞ?
俺、完全アウェイの部外者扱い。
しばし抱擁が続き、何分立ったのだろうか…一人と一匹はようやく落ち着きを取り戻したようだった。
「あなたが銀波 を助けて下さったんですね?
本当にありがとうございました。
急に居なくなって、ずっと探してたんです。
無事でよかった…」
その人は…これまた雑誌から抜け出したような美形。切れ長の目にスッと通った鼻筋。どこか外国の血でも混ざってるような整い方。
瞳も…ちょっと青い?
俺より10センチは高いだろうか。
モデルばりのスラリとしたその身を黒の皮のパンツと黒のタートルに包み、黒髪を後ろで一つに纏めていた。
シルバはうれしそうにクンクン鼻を鳴らし尻尾をブンブン振っている。
「あ、いえ…ちょうどここで蹲って動けなくなってたので、連れて帰って保護してたんです。
飼い主さんですか?見つかってよかった…
俺、この子が綺麗なシルバーだから『シルバ』って呼んでたんですけど、本当の名前も『シルバ』だったんですね?」
「え?本当に?
この子は銀の波と書いて“銀波 ”と読むんです。
奇遇だな…よかったな、銀波。」
“きゅん!”とシルバが返事をした。
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