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シルバの正体④

「散らかってますけど、どうぞ」 憧れの作家を招き入れ、俺はドキドキしていた。 正体不明・年齢不詳のあの人がうちにいるなんて! 急いでドッグフードやお椀、リードやオモチャを手際よく紙袋に纏め、ゲージも持ちやすいようにコンパクトに紐でくくり、準備を終えた。 「葛西さん、連絡先教えて下さい。 私のと交換しましょう。」 「え?いいんですか?」 「ええ。あなたは信用できそうですから。」 「…口外しませんよ。大丈夫です。 俺だけの宝物にしますから。」 携帯を取り出して交換した。 すっげぇうれしい! 俺だけが知ってる須崎黒曜のナンバー! 「あ、お茶でも入れますからどうぞ」 「いえ、お構いなく!もうお暇しますから。」 その途端、“きゃうーん”とシルバが吠えて、須崎さんの腕からすり抜け、俺に飛びついてきた。 「うわぁっ!!」どすっっ!!! 勢い込んで倒れた俺の胸の上でシルバがキュンキュン鳴きながら擦り付いている。 「シルバ…」 ん?なんかおかしい。苦しい。 胸の重みが増してきている。 触れる面積が大きくなって、温もりが広がっている。 ふと視線を下にやると 小さな子供が俺の上に乗っかっている。 そして、その頭にはケモミミが、ぴこぴこ動いていた。 「うわっ!君、誰?シルバは?須崎さんは? えっ?どこから入ってきたの?」 俺はパニックになって矢継ぎ早に質問していた。

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