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再会①

朝起きてもスッキリしなかった。 昨日まで手元にあったもふもふが忘れられない。 はぁーーーっ テレビの音だけが響く部屋で、もそもそと一人で食べるご飯は味気ない。 シルバ、どうしてるんだろう。 ご飯、ちゃんと食べてるのかな。 いや、もう、俺には関係のないことだ。 手早く片付け家を出る準備をする。 あぁ、課長も寂しがるだろうなぁ。 「おはようございます…」 「シルバちゃーーーん!おっは…あれ? シルバちゃん、どこ?カバンの中?おーい!」 俺に挨拶もせず俺の懐やカバンを弄り、シルバを探す課長… その行動、イタイですよ… 「あー、すみません…夕べシルバの飼い主が見つかって、引き渡したんですよ。」 「えーーーっ!?そんなぁ… 今日はお散歩に連れて行ってあげようと思って、準備してきたのに…」 がっくりと項垂れた課長のデスクの上には… リードに、フリフリのレースの付いた洋服。 あの取っ手の付いたバッグは、きっと粗相した時用のスコップやビニール袋、水の入ったペットボトルが入ってるんだろう。 あの柄、ペットショップで見たぞ。俺も買おうと思ったが、女の子が持つみたいだったし、スーパーの袋でいいかって止めたんだよな。 っていうか、アンタ大事な書類を横に放り投げて、お散歩グッズ広げ倒してるって、どうなん? 「課長、せっかくのご厚意が無駄になってすみません…」 「ちょっとトイレに行ってくる…」 あー、一人で泣いてくるのか。 既に背中が震えてる。そんなに楽しみにしてたのか?イタイ。イタすぎる。

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