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再会④
息を切らせて走り続け、いつもの時間の半分で自宅へと辿り着いた。
「葛西さん!」
心細げな顔の須崎さんが玄関前で待っていた。
「すみません、迷惑掛けっぱなしで…」
「そんなことより、シルバを探さなくちゃ。」
「この辺で、あの子の濃い匂いはするんですが、姿が見えなくて…
オートロックだから中に入れなくて…すみません。」
「わかりました。誰かに紛れて入ってるのかも。
行きましょう!」
ロック解除して二重ドアを開け、エレベーターに向かって進み始めた時
「銀波!?」「シルバ!?」
エントランスの観葉植物の後ろに、見覚えのある尻尾が…見えた。
その尻尾がぴーんと伸びた後、きゅうーん と鳴く声が聞こえた。
頭隠して尻隠さず。
まさに名言。
須崎さんがいるのに恐れをなしたのか、植木鉢に隠れて出てこようとしない。
「シルバ…出ておいで。」
優しく声を掛けると、プルプル震えながら、やっとよたよた歩いて来た。
耳はへたり、尻尾は後ろ足の間に垂れ下がり、完全に怖がっている。
足元まで来たのを抱き上げ
「黙って出てきちゃダメじゃないか。
須崎さん、物凄く心配してたんだぞ?
一体いつからここにいるんだ?
とにかく無事でよかった。
あぁ…この姿じゃ話せないよな…
須崎さん、取り敢えず家に入って下さい。」
「え…でも…」
「ご遠慮なく。誰もいませんから。さあ。」
シルバを抱いたまま、遠慮する須崎さんをエレベーターに押し込んだ。
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