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あなたの本当の姿③
手渡した二本目も一気に飲み干すと
「…迷惑かけてしまって…すみません。
でも、ありがとう…
ところで、どうして銀波があなたに?」
「あなたの携帯から電話がありました。
『黒曜が死んじゃう!』って。
どうしていいかわからず、俺のところへ掛けてきたようです。」
「そうでしたか…あんなこと言っといてすみませんでした。
またお世話になってしまって…
それに…
俺の姿、ご覧になったんでしょう?」
「…ええ。でも、それが何か?」
「『それが何か?』って…俺、狼ですよ!?
怖くないんですか?」
「須崎さんだとわかってたから。
怖いというより…名前の通り美しい毛並みだなって思ってました。
あ、そんなことよりお粥でも作りましょうか?
お腹空きませんか?」
「あなたって人は…今は大丈夫です。」
「汗をたくさんかけば、熱も下がるはずです。
時々様子見に来ますから、欲しいものがあれば言って下さい。
さあ、何も考えずにゆっくり休んで!」
おデコに冷えピタを貼り、両脇の下にタオルに包んだ保冷剤を挟み込み(冷たくって、須崎さんは悶絶していた)、布団を被せて寝かせると、そのうち規則正しい寝息が聞こえてきた。
須崎さんはいつの間にか狼の姿に戻ってしまっていた。
きっとこの姿の方が楽なんだろう。
もふもふの毛並みをそっと撫でると、なんとも言えない愛おしい気持ちが溢れてきて焦った。
俺、この人のこと…好きなんだ。
彼女のこと、聞きそびれちゃった。
普通、婚約者なら自由に家に行き来するんじゃないのか?
部屋も…乱れに乱れていたし、女っ気があるようには思えない。
そうだ!
シルバどうしてるんだろう!
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