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恋人③
俺が風呂から上がる頃には、昼間散々興奮して疲れたのか、銀波は輝に頭を撫でてもらいながら眠りについていた。
輝と二人っきり…朝のアノ続きを…初めての時のようにドキドキと胸の鼓動が治まらない。
手持ち無沙汰でソファーに座る輝の側に行き、声を掛けた。
「輝…」
「あ、黒曜さん…」
「ベッドに行こうか…」
その言葉に、瞬間真っ赤になり黙って頷く輝の手を取り立ち上がらせると、横抱きにして寝室へ急いだ。
心臓がさっきよりも大きくバクバク音を立てている。
俺の首に遠慮がちに巻き付く輝の手のひらは、緊張からか熱く少し湿っていた。
そっと輝を下ろし、ドアを閉め鍵を掛ける。
かちり と部屋に響く音は情欲の合図。
どちらからともなく寄り添う身体をお互いの手が引き寄せ合った。
唇を重ね合い、ひたすらに求める。
ぱさり、しゅるり… と脱がせ合う衣摺れの音だけが響く室内で、欲望が高まりゆく。
室内灯の仄かな明かりに照らされて浮かび上がった輝の裸体は、陰影を纏い彫刻のように美しくて。
案外着痩せするタイプだったんだな。
引き締まった身体に見惚れていると
「そんなに見ないで下さい…」
と視線を逸らす仕草も愛おしい。
「綺麗だ…」
「黒曜さんこそ…すごく、綺麗です。」
ふふっとはにかむ輝をベッドに押し倒し
「ずっとこうしたかったんだ。
君は…後悔しない?」
「そんなこと聞くくらいなら、一生俺を幸せにして下さい!
嫌だと言っても…もう離れませんから…」
目を見つめてから唇へキス。
その頃にはもう、俺自身はとろりと蜜を零し、擦り付く輝の叢をじっとりと濡らしていた。
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