75 / 337

恋人side:輝③

ぐちゅぐちゅといやらしい音を立てながら、また中を抉るように突き進められる。 熱い…ごりごりと進んでいく楔に、また俺の中が(うね)り始めていた。 「…くっ…はぁっ…あぁっ」 声を止めようにも、気持ちよくてもう声なんて押さえることができなくなっていた。 「輝…声を出していいんだよ… もっと…気持ちよくしてやるから…」 黒曜さんの声が悪魔のささやきのようで、与えられる快感にもう、溶けてしまいようになっていた。 楔に絡みつく俺の襞は、押されてぷちぷちと弾けていくような気がする。 細胞の一つ一つまで侵されて、頭の芯まで痺れていく。 こんなの、こんなの初めてだ。 まるで元から一つだったかのように、吸い付き絡み合う二つの身体は、黒曜さんが動く度に少し離れていき、それを追うように俺がしがみ付いていく。 離れたくない、このまま意識もなくなるほどに溶けてしまいたい… 抽挿がだんだん激しくなってくる。 奥へ奥へと入り込もうとする黒曜さんの分身。 それを難なく受け入れようとする俺の身体。 俺は男なのに…何か身体の奥から変わるような気がしてくる。 俺の中の黒曜さんが一際大きくなった。 「えっ!?」 黒曜さんの先走りで滑っている俺の中が、ぐぐっと押されてまた開いたような気がした。 「輝が好きすぎて…止まらないな…ごめん、俺を受け入れて…」 艶めかしくささやく黒曜さんは、前髪を搔き上げると、俺の両乳首を摘んだ。 「あぁぁぁっ!」 胸から全身へ電気が走ったようになり、突っ張った足先は微かに痙攣し始めている。 「輝…感度がいいな…もう、ここで感じてるんだ…」 ほおっと息を吐いた黒曜さんがうれしそうに呟いた。

ともだちにシェアしよう!