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新しい生活⑧
揺らめく青い瞳…
あぁ、もう、そんな悲しい顔はしないで。
俺の前ではそんな顔させないから。
俺の側にいたら、楽しくって、うれしくって、ワクワクして、ハッピーな気持ちにさせてあげるから。
俺はピンと背筋を伸ばし、不安に揺れる青い瞳をしっかりと見つめ返した。
「もし反対されても、俺は黒曜さんとシルバと、この先の人生を一緒に歩んで行きます!
勘当されても構わない。
黒曜さん…俺の家族になってくれるんですよね!?
俺、シルバのママでいいんですよね!?」
「輝…」
「俺達、これ以上ない程、相性がいいんでしょう?
もし、万が一離れることがあったら、もう二度と番が持てないくらいに。
それに…
『俺の子を孕んで産んでくれ』って言いましたよね?
それって、どういう意味ですか?
俺は男だけれど、もし、それが叶うなら…
産みます!
あなたとの子供を!」
「輝…」
黒曜さんは絶句して固まってしまった。
一世一代の俺の告白。
何かマズいことでも言ってしまったのか?
黒曜さんは大きく息を吐くと、俺を抱きしめ、背中をそっと摩ってきた。
「輝…君はとても強い人なんだな…
思い惑う俺をすっぽりと包んでくれる…
もちろん、俺も銀波も、輝と本当の家族になりたい。
そうしたくて堪らない。
でも、ご両親や兄弟の縁を切ることはできない。
いや、させたくない。
家族は大切なものだ。
俺達のせいで、輝達に嫌な思いをさせたくない…
ほんの少しでもいい、受け入れてくれたら…
『産んでくれ』って言ったのは…
俺達人狼は、本当に心から愛し合う、種族や性別の違う番同士が望んだ時に、相手の性別が変わって子を成すことができるんだ。
だから…俺達がお互いに愛し合ってその想いになった時に、輝が妊娠、出産するってことで…」
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