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おばあちゃんは何者!?⑤

飲み物を持って現れた祖母は 「あまりに田舎で驚いたでしょう? お腹空いたわよね、お口に合うといいんだけど… さあ、どうぞ。召し上がれ! おチビちゃん、お名前は何ていうの?」 突然自分に振られた質問に、シルバはびくっと飛び上がったが、それでも小さな声で 「銀波です。 須崎 銀波。“銀色の波”と書いてシルバと読みます。」 「銀波ちゃん!かわいくて素敵なお名前ね! 随分としっかりしてるのね… 好きなのあるかしら? 遠慮しないで食べてちょうだい。輝、取り分けてあげてね。 えっと…そちらのイケメンさんは?」 座布団を当てないで正座をしていた黒曜さんは 「ご挨拶が遅れて申し訳ございません。 初めてお目にかかります、須崎 黒曜と申します。 この銀波は妹の忘れ形見で、私が引き取って暮らしています。 この度は、輝君との結婚を認めていただきたく」 「認めるも何も…もう、想いを寄せ合っているんでしょう? 二人を見たらわかるわ。 だったら私は何も言うことはないのよ。 積もる話は後でゆっくりと聞かせてもらうから、まずはご飯を食べましょう! さぁ、足を崩して座って! …銀波ちゃん、フードもとって、尻尾も出して、お家にいる時のように楽にしていいのよ。 ここは私しかいないから、大丈夫。」 ひぇーーーっ!!!!! おばあちゃん、どうして? 何で知ってるの? 俺何も言ってないよ!? 俺達三人は最後の言葉にフリーズした。 祖母はにっこりと微笑みながら 「その話も後でね。 さぁ、召し上がれ!」 何かある…何かあるんだ、絶対に。 黒曜さんと俺は顔を見合わせて頷くと、シルバを促してパーカーとズボンを脱がせた。

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