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呑気な両親⑤
祖母の横に黒曜さん、そして俺の胸に突っ伏してぐすぐすとすすり泣くシルバを抱いた俺が。
テーブルを挟んで、項垂れた両親と兄が座っている。
「…本当に、もう、三人とも何!?
銀波ちゃんをあんなに泣かせて。
…出入り禁止にしようかしら。」
怖い。静かに怒っている。
普段優しくてたおやかな祖母は、怒らせたら強烈に怖い。
三人とも震え上がってるのがわかる。
「もう、大丈夫です!
俺と輝以外の人に耳や尻尾を見られたのが初めてで、驚いただけです。
な、銀波?」
黒曜さんをじっと見ていたシルバは、小さな声で「大丈夫」と答えた。
健気な振る舞いに胸がきゅうっと締め付けられた俺は、シルバをぎゅっと抱きしめ、耳元でささやいた。
[大丈夫!三人ともわかってくれてるから。
心配しなくていいよ。]
「こんな小さな子供に気を遣わせて!
反省してちょうだいね!反省っ!」
「「「ごめんなさい」」」
やっぱりみんな、祖母には頭が上がらない。
「電話で伝えた通り、輝は黒曜さんの所へお嫁に行きます。
ここにいる黒曜さんと銀波ちゃんは、もう、うちの家族です。
結婚式は二人の意向通りにします。
いいわね?」
「もちろん!
黒曜さん、不束者ですが…いや、俺達親よりも余程しっかりしている子ですが、末永くよろしくお願い致します。」
「身内の俺が言うのもなんですが、気持ちの優しい正直な弟です。
大事にしてやって下さい。」
「はい!一生をかけて大切にします。
私と銀波を受け入れて下さってありがとうございます。
今後ともよろしくお願い致します。」
突然俺の膝から滑り降りたシルバが正座をして言った。
「よろしくお願いします。」
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