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保育園side:シルバ④

小夏ちゃんは香織ちゃんを引っ張り、次々と捕まえて、あっという間に長い列ができた。 みんな汗をかいてキャーキャー大騒ぎ。 ワクワクしてきた。 早くみんなの中に入りたい。 「シルバ!おいで!」 太陽君に手を差し伸べられ、手を繋いで引っ張られるように走り出した。 あーっ、太陽、ずるーい! 俺もシルバと手を繋ぎたい! それっ!捕まえろー! 大きなムカデのように、繋がって追いかけてくる千夏ちゃん達をしゅるりと掻い潜り、ひらりとかわして、僕達は逃げ回った。 あっ、捕まるっ! 「はーーい!!そこまでぇー!!」 ゆみ先生の大声が響き渡って、一斉にぴたっと動きが止まった。 「うわぁ…みんな汗だくね… じゃあこのままお着替え持って、シャワー室に集合!」 うわぁー!っと我先にダッシュして行って、僕と、手を繋いでいた太陽君が残った。 「…太陽君、みんな行っちゃったよ。 僕はいいから、早く行かなきゃ。」 「お前ひとりになっちゃうから、ここにいる。」 胸がきゅっ となった。 めぐ先生が 「はい、これシルバ君の。保育園のだから気にしなくていいのよ。 太陽君、一緒に連れて行ってあげてね。」 「うん!行こう、シルバ。」 「先生、ありがとう!」 「どういたしまして。」 ぱたぱたと手を繋いで駆けて行った。 思う存分走り回って、シャワーでさっぱりした後は…みんなでご飯? あ…もう、お昼なんだ。もう帰らなくちゃいけないのかな… 「給食って言うんだよ。お昼ご飯をみんなで食べるんだよ。」 真琴君が教えてくれた。 トレイを渡された僕は慌てて聞いた。 「僕も?僕もみんなと食べてもいいの?」 「シルバ君、いいのよ。 違うお部屋でパパとママも同じ物食べてもらってるから。 遠慮しないでしっかり食べてね!」 え?黒曜とママも?

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