152 / 337
保育園side:シルバ⑤
「今日はね、お昼ご飯までみんなと一緒なのよ。
誰のお隣に行こうかな?」
「せんせーーい!こっち!」
「シルバ!おいで!」
「ダメっ!僕達のとこ!」
「違うよー、こっちだよぉ!」
あちこちから声を掛けられ、どうしていいのかわからない。
と、そこへ横から大きな声がした。
「ダメっ!シルバは俺の隣っ!」
太陽君が大声を出したら、みんなビックリして黙っちゃった。
「シルバ、こっち」
太陽君の後ろをついて行く。
ちゃんと椅子を持ってきてくれて、横に座らせてくれた。
ゆみ先生は
「まぁ、仕方ないか…出会っちゃったみたいだし…はい、みんな!揃いましたか?」
はーーーい!
「では、みんなで、パチン!
お手手を合わせて
せーの」
いっただきまぁーーーす!!!
『出会っちゃったみたい』って何だろう?
誰と誰が?
後で先生に聞いてみよう。
それより今は目の前の『給食』が気になってじっと見ている。
同じ食器に同じおかず。
ワクワクするよ。
黒曜とママも同じもの食べてるって言ってた。
スープにお星様の形の人参とジャガイモが浮いてるよ!
唐揚げとマカロニサラダ。
切り干し大根の煮物。
プリンもついてる!
「シルバ、ちゃんと噛んで食べるんだぞ。」
「うん!」
太陽君、ママみたい。
ふふっと笑って返すと、太陽君、ぼふっと真っ赤になって、顔を逸らしちゃった。
あれ?
それを見たら僕も身体が熱くなって、顔も赤くなってきた。
何だか恥ずかしくって、胸がキュンとして、二人とも黙って食べ始めた。
そのうち、太陽君が
「シルバ、美味いか?」
「うん!ママのも美味しいけど、これもとっても美味しいよ!」
にっこり笑って答えると、また太陽君は真っ赤になって
「この野菜は俺のじいちゃんが作ってるんだ。」
ってボソリと呟いた。
ともだちにシェアしよう!