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小さな恋の始まり③

園長先生は俺たち二人を交互に見ながら 「お知らせすることができました。 びっくりしないでお聞き下さいね。 …どうやら銀波君に番が見つかったようですよ。 小橋 太陽君、と言います。 今、銀波君と一緒に行動してます。 お家は、ここにお米やお野菜を届けてくれている農家さんです。 こんな幼い頃に出会うなんて稀なケースですが、今までも私達は何組か出会っています。 みんな大きくなって結婚して、幸せな家庭を築いていますよ。 やはり、ここに来るのは運命的なことだったのでしょうね。」 えっ!?番!? 思わず黒曜さんと顔を見合わせた。 「先生、それって…」 「ええ。出会ってしまったら、誰も引き離すことはできません。 あなた方もそうでしょ?」 「はい。私と輝も…もう、離れることはできません。 では、番の話が本当なら…相手のご両親にもご挨拶も必要では?」 「まず、園として、私が小橋さんに説明しましょう。 そういったことにも理解のあるご家庭ですから、ご心配なく。 太陽君のお兄ちゃんもそうでしたから。」 「えっ、そうなんですか!?」 「はい。今小学三年生ですが、お互いの家を行き来して、仲良くやってるようですよ。」 いきなりのことで頭が回らない。 シルバはまだ、五才なんだけど!? そんな簡単に番なんて見つかるものなの? 黒曜さんが“落ち着け”と、戸惑う俺の背中を摩ってくれる。 ふうっと息が抜けて、数度深呼吸すると少し落ち着いた。 「お食事もお済みでしたら、どんなお子さんか会いに行きましょうか?」 「はい、ぜひ! ご馳走様でした!とても美味しかったです。」 「どうぞ食器はそのままに。 ではどうぞ、こちらです。」 戸惑いながら、園長先生のあとに続いた。

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