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てんやわんや⑧

黒曜さんは俺の目をしっかりと見つめて言う。 「輝は何も心配しないで、自分が思うようにやればいいんだよ。 きっと課長は、今まで多くの人狼の社員を見てきたんだろうな。 だから子育ての間は無理のないように、激務で人と接しなければならない営業職よりも、時短で割と自由の利いて、似たような子育て世代ばかりの事務職への部署替えを勧めてくれたんだろう。 落ち着いたらまた、元の営業に、とも思ってるんだろうな。 輝が仕事を続けたければ、課長の言う通りにさせてもらえばいいし、家に入ってくれるなら、それも大歓迎だ。 だけど、無理は禁物。 身体も、環境も変化する。 俺は、お前が俺の側で笑ってくれてれば、それで幸せなんだ。 俺達の子供を抱いた輝の側にシルバがいて、三人を俺が包み込んで… 想像しただけで心がほんわかと温かくなる。 輝のお陰で、孤独だった俺がこんな幸せになれるなんて。 輝…ありがとう。 お前に出会えて、本当に…うれしいよ… 人狼であることに感謝できる日が来るなんて、輝と結ばれるまで思いもしなかった…」 うっすらと青い瞳が涙の膜で覆われていく。 綺麗…何て美しいんだろう。 嘘も誤魔化しもない、澄み切った黒曜さんの瞳… 俺はシートベルトを外し、助手席から乗り出すようにして、愛する(ひと)に抱きついた。 「俺を選んで…俺を愛してくれて…ありがとうございます… 黒曜さん、愛しています…」 息を飲んだ黒曜さんが、俺をしっかりと抱きしめた。 ぐりぐりと頬を擦り付けられ 「…輝…輝…」 と、ただ名前を呼ばれている。 それだけで、心から満ち足りた気持ちになる…

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