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診察⑥

甘い声で諭すように言われたら逆らえない。 唇を尖らせて布団に潜り込んだ。 布団の上から軽い重みが加わった。 黒曜さんにそっと抱きしめられていたのだ。 「輝…本当にありがとう。 俺のこと、身体が変わるくらいに心から愛してくれてたんだな… 俺だけが狂いそうなくらいに輝のことを思ってたんじゃなかったんだ… うれしい… おまけに子供まで… シルバもお兄ちゃんになるのか… 俺にまた、新しい家族が増えるんだよな… 輝のお陰で、俺はどんどん幸せになっていく。 …輝は?輝はどうなんだ? 俺と一緒で…幸せになってるのか? こんなことになって、後悔…していないのか?」 最後の方は、独り言を言うように小さな声で問いかけられた。 俺は黒曜さんの唇に一つキスをすると 「俺は最高に幸せですよ! どうにかなってしまいそうなくらいに。 黒曜さん…今まで苦労した分、たくさん幸せになりましょうね!」 言い終わるや否や、そっと唇を塞がれた。 気遣うような、愛おしむような、優しいキスを。 熱を持った唇が急に、つ…っと離れてしまい、縋るような目で黒曜さんを見た。 「輝…そんな目で見るな…襲いたくなるだろ。 これ以上…してしまいそうになる。 安定期に入るまでは、ちょっとお預けだな。 今はまだ、この子のために我慢するよ…」 布団の上から俺のお腹を撫でながら、残念そうに呟く黒曜さん。 そうか…まだ不安定なんだ… 「ふふっ。しばらくお預けですね。」 黒曜さんの手に俺の手を重ねて、何とも言えない満ち足りた思いになり、段々と重くなる瞼を支えることができずに、眠りに落ちていった。

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